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地域活性のプロが指南

周年事業で一体感を醸成する インターナルコミュニケーション

榎田正治(福岡県春日市)

2022年4月に市制50周年を迎えた春日市。この節目のPRに当たっては市民への広報と併せて庁内(市職員)への情報発信にも力を注いだ。この取り組みについて紹介する。

市制50周年を迎えるに当たり、春日市では、周年事業の企画・立案などを行う庁内プロジェクトチーム(以下、「PT」)を立ち上げました。20代の若手職員から課長級のベテラン職員まで、総勢14人で構成されたPTでは、周年事業の理念やロゴマーク、実施事業などを検討していきました。

さまざまな部署から選出された、市制50周年のPT広報班のメンバー。

周年を機に組織活性化を

活動方針を検討する中、20年前の市制30周年のときに周年事業に関わっていたベテラン職員から、「これまでの周年の節目にどんな取り組みをしたのか、多くの職員は覚えていないと思う。今回の市制50周年では、職員全体の熱量を高めるため、市民だけでなく職員に対するインナー向けの施策も重要ではないか」との意見がありました。

周年を機にインターナルコミュニケーションに取り組むことは、職員の市に対する愛着や誇りを育むきっかけとなり、結果として組織の活性化にもつながる大きな意義があります。

そこで、PTの中で私を含めた3人の広報班では、さっそく民間企業などの事例を調べることに。ネット上には、社員向けに趣向を凝らしたイベントを実施したり、センスのある記念品を配布したりと、魅力的な企画が数多く溢れていましたが、春日市のような自治体が市費を投じてこれらの活動を行うのはとても困難だと判断しました。

このような経緯から、予算をかけずに、意識や理解度が異なるさまざまな職員に対して効果的なPR施策を行うため、広報班では、職員を周年事業への関心の度合いで「関心の低い層」、「(関心は低いが)発信された情報には目を通す層」、「(関心が高く)積極的に情報を取得する層」の3つのステージに分類し、それぞれに異なるアプローチを展開することにしました。

低関心層には手元に届く冊子

周年事業は、50周年の節目を迎える数カ月前から、ロゴデザインの公表やティザーサイトの設置など、少しずつ進行していきます。この初期段階では、多くの職員の関心が低い状態であると想定し、メールやイントラネットよりも、確実に目に触れることが効果的だと考え、プッシュ型の媒体として紙ベースの庁内報を発行しました。

ただし、業務時間中にも読みやすい冊子にするためには、文字を追わずにパラパラめくるだけでも内容が伝わるものとなる必要があります。

このため、庁内報を“最低限伝えたい情報を発信するツール”と位置付け、できる限り文章よりもビジュアルで伝えることや、短文でテンポのよい文章構成とすることなどに配慮して制作し、より深い情報は、後に紹介するSNSで補完するように...

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