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取材がグンと増える上手い広報が実践していること

自治体「初」のAI職員採用などエンタメ性と対応力で話題化多数

鳥取県

鳥取県は「メタバース課」の設立と「AIアバター職員」の採用に関する発表会を開催し、多数のメディア露出を実現した。これまでも数々の話題化に成功している鳥取県の広報戦略を聞いた。

    POINT

    ❶ リリースで、自治体「初」をアピール。実演も交えた発表会で、メディアの関心集める。

    ❷ 知事のダジャレの効いた発言や「画になる」装いで、エンタメ性高める。

    ❸ 首都圏の拠点にも裁量持たせメディアの要望に迅速に対応できる体制に。

2023年2月2日、鳥取県は「メタバース課」という架空の部署の設立を発表した。鳥取県庁内に生まれた「メタバース課」は、インターネット上のバーチャル空間でのやり取りを通じて鳥取県に関する情報を発信し、関係人口(県内に居住していなくても、県に対して好感を持ち、地域づくりに参画してくれる存在)を創出することを目的としている。

メタバース課には、「YAKAMIHIME(やかみひめ)」というAIアバター職員が在籍しており、公式HP内にある専用ページにアクセスするとコミュニケーションを常時取ることができるという。

『初』謳える取り組みを

昨今は画像生成AI、さらにはChatGPTのような高機能な人工知能サービスの登場により、世界がAIに寄せる期待は大きい。加えて、VTuberをはじめ「仮想空間のコンテンツ利用」の波は国内外においてますます加速している。

鳥取県のAIアバター職員「YAKAMIHIME」は、そんな2つの潮流の両方を取り入れた、先進的な試みだ。

「事の発端は、2022年5月に行った『鉄腕アトム』のご当地NFT(非代替性トークン)トレーディングカードの販売です。3社(手塚プロダクション・NOBORDER.z FZE・J&J事業創造)の共同開発に鳥取県が協力し、カードの背景に県の名所がデザインされたもの。これが大好評だったことを受け、第2弾としてメタバースを取り入れることに。とはいえ、仮想空間上に県のエリアを設ける取り組みは、渋谷や大阪など、他の自治体でも行っています。そこで『自治体初』を謳える取り組みとして思いついたのが『メタバース課』の設置でした」(鳥取県交流人口拡大本部 東京本部主幹 河上一雄氏)。

©XANA

採用式を模した発表会開催

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