コロナ禍で飲食店が軒並み勢いをなくす中、店舗数を瞬く間に広げていった沖縄発祥の気軽に足を運べるステーキ食堂「やっぱりステーキ」。沖縄出身の社長のもと、メディアでも頻繁に見かけるようになった秘訣に迫る。
POINT
❶ 沖縄出身の社長をアイコンに、ステーキを気軽に食べられる、地元に愛される「ステーキ食堂」のイメージを定着。
❷ 事業に関する取材以外も積極的に受け、メディアとの関係を広く構築。
2015年2月に沖縄・那覇に1号店をオープンし、現在は全国に80店舗以上を展開する「やっぱりステーキ」。溶岩石で焼き上げる肉厚ステーキを看板メニューに、コロナ禍という逆風を跳ね返す成長を続けている。
“締めステーキ”文化発信
運営するディーズプランニングの広報担当者は、「私たちは『沖縄“ステーキ食堂”』と名乗っている通り、特別な日だけではなく普段からステーキを気軽に食べる文化をつくっていくというコンセプトを掲げ、地域に愛される食堂を目指しています」と語る。
その一環として同店では、お酒の締めにステーキを食べる“締めステーキ”という沖縄由来の習慣をリリースなどでも積極的に発信。広報担当者はその背景を「実は沖縄でも誰もが締めにステーキを食べているわけではありませんが、10年ほど前からのメディア露出の増加に伴い、当社の義元大蔵代表取締役社長が意図的に打ち出した施策です」と明かす。
店舗数拡大とともに“締めステーキ”という習慣も認知されつつあることからも分かるように、同社では“沖縄らしさ”を全面にアピールした広報施策を展開する。「沖縄発祥の飲食店が全国展開をしているケースは珍しい」ということもあり、メディアや世間の関心を惹きやすいためだという。そこで、沖縄出身である義元社長が“同社のアイコン”となり、メディアなどにも精力的に露出している。
「沖縄をキーワードに、沖縄出身の社長が頑張っている姿を伝えることを重視しています。また創業のストーリーやステーキへの思いなどもやはり義元の言葉で語ってもらう方が熱量も含めて最も伝わりやすいはず」と広報担当者は語る。

企業のアイコンとして、取材対応を積極的に行う義元大蔵社長。
メディア露出で社内が活性
その戦略が最も効果を発揮したのが、東京初進出となる2020年6月の吉祥寺店のオープンと、同年11月にTBS系列のバラエティ番組『坂上&指原のつぶれない店』で取り上げられた...