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地域メディアの現場から

「福岡県民以外は面白くない」地元ネタ特化のバラエティ番組

FBS福岡放送『地元検証バラエティ福岡くん。』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    FBS福岡放送『地元検証バラエティ 福岡くん。』
    放送日 毎週日曜 12時35分~13時30分
    放送開始 2020年10月(週1回のレギュラー放送)
    放送エリア 福岡、佐賀、長崎
    出演者 斉藤優(パラシュート部隊)、伊藤舞(FBS福岡放送アナウンサー)

    反響の大きかった放送回

    もち吉カンカンあなたは何入れますかランキングBEST10(2022年5月15日)
    福岡県民が愛する米菓店「もち吉」。せんべいを食べ終えた缶をどのように再利用しているか福岡県民300人に調査。その後、もち吉とコラボ製作した「金のもち吉カンカン」を販売したところ、売り切れ店舗が続出した。

    第3回 福岡箸上げ選手権(2022年7月24日)
    グルメ番組には欠かせない「箸上げ」という技術。そのナンバー1を決めるべく、福岡のタレントたちが福岡名物の箸上げに挑んだ。第2回の放送が日本民間放送連盟賞 優秀賞を受賞。

    福岡くん。的絶滅危惧博多弁SP(2022年12月11日)
    県民以外からも知られているにもかかわらず、実は全然使われていない「絶滅危惧博多弁」を調査。「絶滅危惧博多弁 ワースト5」を発表した。

『地元検証バラエティ 福岡くん。』(FBS福岡放送)は、福岡県民でも見落としているような地元のネタを根掘り葉掘り検証するバラエティ番組だ。例えば、福岡県民におなじみの米菓店「もち吉」の食べ終わった四角い缶に、何を入れて再利用しているかを県民300人に調査して1時間にわたり特集。まさに番組コンセプトである「福岡県民以外は1ミリも面白くないバラエティ」を体現している。

ターゲットは福岡県民。家族揃ってリアルタイムで楽しんでもらえる番組を目指している。

地元ならではの新しい視点で

企画・演出・プロデューサーの羽田野雅裕氏は「もち吉のカンカンに狙いをつけるというのは、他県の人からしたら絶対に思いつかない企画だと思います。“新しい情報”に飛びついていくよりも、地元の人間が制作しているからこそ気付ける“新しい切り口”をできる限り織り込んで構成するようにしています」と語る。

同番組は県民の深い共感を呼び、2022年の年間平均世帯視聴率は12.0%、個人7.0%(ビデオリサーチ調べ・北部九州地区)と日曜昼の番組とは思えない高視聴率を獲得している。

取り上げるネタの探し方は、視聴者から寄せられる調査依頼やSNS、スタッフが街で見つけたこと、スタッフ間の雑談・口コミなど多岐にわたる。「もち吉のカンカン」の企画は、「各家庭にあのカンカン絶対あるよね」「自分の家はこんなものを入れていた」といった雑談のなかで生まれた。

「ネタの提案時などもあまり否定から入らないように心がけて、制作会議のなかではスタッフにも『ネタは本当に何でもいいよ』という話をよくしています。ちょっと気になったことがあればすぐにカメラを持って取材へ。どんなネタでもフットワーク軽く企画にできるのはローカル局ならではの良さかもしれません」。

福岡県民以外にはピンと来ないネタだからこそ、深い共感を呼ぶ。

見出しには客観的情報を

羽田野氏は、同局の夕方の情報番組『めんたいワイド』担当時に...

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