社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

CMでは、たった2文字のアルファベットしか送れなかったネットワークが世界を覆うまでに発展したインターネットの53年の歴史を振り返りながら、IIJのインターネットにかける「思い」を表現。
国内初のインターネット接続事業者として業界を牽引するインターネットイニシアティブ(IIJ)が、2022年12月3日に30周年を迎えた。
周年事業のメインテーマは、社会の発展に貢献してきたインターネットの歴史と、そのインフラを支える技術の大切さを伝えること。そこで、30周年特設サイトでは「日本のインターネット変遷を読み解く」と銘打って、30年分のプレスリリースを復活。同時に、若い世代をターゲットにインターネットの歴史を伝える記念CM「インターネット・クロニクル」をYouTubeで公開。再生回数は約2カ月で800万回を超えた。
また、広報誌『IIJ.news』の30周年記念号は、「未来思考」をキーワードに構成。「すでに25周年の特別号で自社の歴史を振り返っていたので、次は目線を前に向けたいという思いがありました。そこで、副社長の2人がインターネットの未来を語る対談や、社長と若手社員がこれからの30年を語り合う座談会など、経営と現場の両輪で歩む姿を見せられるよう意識しました」と広報部の村田茉莉氏。

30周年記念の特設サイトでは、30年分のプレスリリースを掲載。
IIJの精神を共有する機会に
一方、社内に向けては創業当初から大切にしてきた「チャレンジ精神」の共有をテーマに施策を展開。「創業当初を知らない社員も増えてきていたので、改めて『チャレンジ』に対する目線を合わせられたらという思いがありました」と、広報部長の加藤博崇氏は意図を語る。
まず社内報で、事業やサービス立ち上げ時のイノベーティブ・チャレンジングな取り組みについて社員が語る「イノベーション30」と、“社内の恩人”への感謝の言葉をリレー形式で紹介する「感謝のリレー」という2本の連載を開始。「印象的だったのは、『感謝のリレー』に登場した社員から『こういう機会をくれてありがとう』と言われたこと。また、彼らの感謝の言葉を通じて、周囲にも社員の関係性を知ってもらえるいい機会になっているようです」(加藤氏)。
そしてIIJの30周年を「みんなで一緒に祝う・楽しむ」参加型に...