楽しみながら企業ブランドやモノづくりの裏側を知ってもらえる「工場見学」や「体験施設」。自社の技術力や社会的活動を、幅広いステークホルダーに伝えるにはどのようなプログラムが好評なのか、話を聞いた。
SPOT 08
クイズで巡るリサイクル工場、SDGs貢献意識を促す
▶︎ エフピコ | 中部リサイクル工場(岐阜県・安八郡)
食品トレーメーカーのエフピコは、1990年より発泡トレーリサイクルを開始。その整合性を一般の方に理解してもらうため、同時に工場見学もスタート。スーパーなどから回収した容器のリサイクル工程を見学できる。また、「今日から地球のためにできること」を合言葉に、クイズを通して家庭で実践できるSDGsのヒントも伝えている。「明日からリサイクルを意識します」と言って帰る見学者も。
工場見学
バーチャル見学
DATA
エフピコの工場見学では、「循環型リサイクル」の様子を見学できる。中部リサイクル工場では、トレーのほかにも透明容器やペットボトルのリサイクル全工程を見学可能。環境を意識したクイズを交えたガイドが特徴。バーチャル見学でも、工場の様子を伝える映像とともにクイズを出題し関心を高める。
オンライン社会科見学
動画と学習シートで学びを深める 海外からの参加も
▶︎ 土屋鞄製造所 | ランドセル工房のどこでも社会科見学
ランドセルメーカー土屋鞄製造所が2020年からオンライン社会科見学を始めた。コロナ禍で体験学習が減少した子どもたちに、学びの体験や思い出を提供することが目的。「クイズ編」「ランドセルの作り方編」「職人の想い編」の3編で、ランドセルの歴史や職人の誇りを伝えている。学習シートや、職人と直接会話ができる「オンライン職人インタビュー」(現在は足立区のみ)も用意。
オンライン見学
ワークシート
DATA
足立区内小学校の社会科見学をオンライン化。親同士の社内コミュニティのメンバーからも協力を得た。ランドセルの歴史やつくり方だけでなく、職人の思いも伝わる内容に仕上げ、子どもたちから「職人になりたいと思いました」といった感想も。またオンラインにしたことでドイツからも応募があったという。
SPOT 09
科学の不思議を未来のエンジニアに伝える 体験展示の裏に先端技術
▶︎ 村田製作所 | Mulabo(ムラーボ)!(神奈川県・横浜市)
科学の不思議、楽しさを子どもたちに伝える「ディスカバーゾーン」。ここでは村田製作所の先端技術が使われている。「錯覚を体験しよう!」は「3D触力覚技術」を活用。左手でジョイスティックを動かすと、右手に持ったデバイスが特殊な振動で動き、指から脳に伝わりジョイスティックを動かした方向に手がひっぱられる「錯覚」を起こす。
ディスカバーゾーンでは、予約をすれば、専用端末を使った電気科学に関するクイズを解いたり、センサの前で声やポーズを合わせるシンクロセンシングなど身体を動かすアクティビティも楽しめる。