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元ディレクターが直撃取材!テレビ番組制作者の本音

新たな軸で番組内容を再評価 「クロ現」らしさへのこだわりと進化

下矢一良(PR戦略コンサルタント・合同会社ストーリーマネジメント代表)

テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。

『クローズアップ現代』

NHK系列で1993年4月開始の報道ドキュメンタリー番組。2016年度から2021年度までの番組名は『クローズアップ現代+』。月・火・水の午後7時30分から午後7時57分放送。

『クローズアップ現代』のメインキャスターを務めるNHKの桑子真帆アナウンサー。

日本放送協会
プロジェクトセンター
チーフ・プロデューサー
飯田健治氏(写真左)

『クローズアップ現代』の統括プロデューサー。1996年にNHK入局。札幌局や仙台局にも勤務経験あり。東日本大震災、社会保障、経済分野などのテーマを『クローズアップ現代』やNHKスペシャルで制作。

松本卓臣氏(同右)
1996年NHK入局。主に『クローズアップ現代』やNHKスペシャルを制作。NHKスペシャル『清算の行方~諫早湾干拓の軌跡~』『認知症行方不明者1万人』『ドラマ・こもりびと』『未解決事件シリーズ』などを制作。昨年から新たな『クローズアップ現代』の立ち上げを担当。

昨年4月、あの『クローズアップ現代』が帰ってきた。2016年から『クローズアップ現代+』と名を変え、放送時間帯を22時台に移していたが、今回リニューアル。昨年2022年に再び『クローズアップ現代』とタイトルを戻し、放送時間帯も19時台となった。

「カラフルさ」強化とデジタル化

リニューアルによって、『クロ現』はどう生まれ変わったのか。リニューアルをとりまとめ、番組を統括している2人のチーフ・プロデューサーに、その狙いと手応えを聞いた。

「『クロ現』というと、硬派なイメージがあると思います。ですが、以前はかなり広範なテーマを取り上げていました。例えば『旭山動物園がなぜ人気?』『カラオケブームの深層』『青いバラはなぜ存在しない?』など、時代ごとに多様な企画が生まれています。今回のリニューアルに伴い、直球の報道と同時に、特集テーマのカラフルさも強化するようにしました」。

こう語るのは入局以来、今までずっと報道畑を歩んできた松本卓臣チーフ・プロデューサーだ。主に、報道系のテーマを統括している。

また、今回のリニューアルの狙いは「カラフルさ」強化だけではない。視聴者の「録画視聴やネット動画視聴の増加」といった視聴習慣の変化に合わせた新たな試みもあるという。

松本氏と同期で入局し、主に情報・制作系の特集を統括している飯田健治チーフ・プロデューサーは...

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