一見、入店ハードルが高いとされるワインバーになぜ、Z世代が集まっているのか。その背景には、ワインへのハードルを下げる診断サービスや自発的に投稿したくなるSNS施策などのこだわりが詰まっていた。
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恵比寿にあるワインバー「wine@EBISU」と、ワインバーと紐づく「AIワイン診断」のイメージ。店舗にはワインショップも併設されている。
Z世代が殺到するワインバー「wine@EBISU」。2022年2月のオープンから数カ月の予約枠がZ世代を中心とした若年層だけで埋まるほど、話題を集めている。何がZ世代の足をワインバーに運ばせているのか。店舗を運営するブロードエッジ・ウェアリンク取締役COOの太田貴文氏に聞いた。
携帯できる「ワインソムリエ」
「ワインの常識をアップデートする」と掲げ、ワインに関する複数の事業を行う同社。ソムリエ厳選のワイン約850本が購入できる「ECサイト」やBYO(飲食店にワインを持ち込むこと)が可能な飲食店を探せる「グルメサイト」を手がけてきた。「ワインとの接点を広げる新たな手段として、ワインバー『wine@EBISU』をオープンし、同時に店舗と連携したパーソナライズワイン診断サービス『wine@KARTE(ワインアットカルテ)』をローンチしました」(太田氏)。
「wine@KARTE」は、「850種類以上のワインの中から、ぴったりな一本を見つけ出す」をコンセプトに、簡単な設問に答えるだけで、ユーザーに適したワインをAIが見つけ出してくれる。「しいたけの煮物と卵焼きでは、どちらが好き?」といった答えやすい設問で把握したユーザーの好みを、ワイン独自の評価軸に落とし込んで判定する。
ワインに興味があったとしても、初心者にとって「ワインを選ぶこと」には想像以上のハードルがある。診断でワインへのハードルを下げ、ワインバーの来店にもつなげているのだ。「『wine@KARTE』でオススメのワインが出てきても、これまでワインを飲んでこなかった層がECサイトで1本購入するのは敷居が高いですよね。そこで、まずは店舗でワインに親しみを持ってもらうことが欠かせないと考えました」(太田氏)。
同店の開店リリースでは「業界初の目新しいワイン診断サービス店」と打ち出したとしたことでメディア露出が拡大。「ワインの選び方が変わる店」と取り上げられ、認知を高めた。「wine@EBISU」では、常時30種類以上のワインを1杯250円(税抜)から試飲できる。
「wine@KARTE」の診断結果と照らし合わせることで...