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IRの学校

IRの学校 13時限目「IR活動におけるフェーズごとの情報開示」

大森慎一(バンカーズ)

イラスト/もとき理川

上場財部株谷:こんばんは。引き続き、リスクマネジメント全般について相談したいのですが。

大森:はい、では早速始めましょう。

上場:前回の話を受け、非常時のコンティンジェンシープランとBCP(事業継続計画)を考えているのですが、IR担当として両プランをどう区分するか、悩ましくて。

大森:ははは、悩むことはないよ。前回はイメージしやすくするために、一般的な事業活動を例にして、両プランを分けたけど、IRや広報は、他の管理部門と同様、生産や販売の各事業部署と異なり、活動自体は明確に区分しなくてもよい場合がある。

財部:そうですよね、影響の見極めに時間を要する場合もあるから、とおっしゃっていましたし。

上場:なんだ、そうなんですね。事業継続のために業務の優先順位をつけると言われても、具体的にどうするべきか整理しきれなくて。変えなくてもよいのですね。

大森:おっと、活動内容は変える必要はないけど、事態の収拾前と収拾後では明確に違うものがあるよ。

上場:えっ、混乱してしまいそうです。

大森:そうだね、提供すべき情報を順番に整理していきましょう。

IR部門はフェーズフリー?

大森:ではまず、IR部門の事業活動工程を個別に考えてみよう。株谷さん、どうかな?

株谷:そうですね、平常時でいいですか?えっと、まずは情報収集と重要度・影響度の分析、開示内容・時期の確定、実際の開示といったところですか。

大森:うんうん。杏奈さん、利子さん、何か付け加える工程はあるかな。

財部:資料作成などのクリエイティブな活動はどうですか?

大森:いいねえ、開示資料作成に加えて、投資家と質疑応答、対話や情報の一元管理も加えようか。

株谷:そうですね、一元管理、特に既開示かインサイダー情報かの整理は必須ですね。

大森:そうだね。じゃあ、一連のIRの工程を①情報収集、②重要度・影響度の分析、③開示内容・時期の確定、④開示資料作成、⑤実際の開示、⑥質疑対応・対話、⑦情報の一元管理とすると、それぞれの工程で、インシデント前後、平常時と事後で変わることはあるかと考えると、どう?

株谷:うーん、ちょっと待ってください。

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