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目的の明確化で効果測定を見直す

目的に適した「生の声」を味方につけて説得力のある成果報告を

稲葉崇志

メディア露出だけでなく、社内広報やオウンドメディアでの発信など、様々な期待がかかる広報部門。数値で表しにくい活動に対しても、正しく評価を受けるにはどのような社内プレゼンが効果的なのか。その考え方をプレゼンの専門家に聞いた。

「自分の言いたいことがうまく伝わらない」「周りの人に分かってもらえない」──。コミュニケーションに関する企業研修を行っている私のもとには、こうした相談が多く来ます。通常のコミュニケーションであれば、双方向性があるのですが、社内への成果報告、プレゼンとなると、「どう組み立ててどう表現するか」が重要になってきます。

またプレゼンテーションのあとに、相手に本当に分かってもらえているのかを確認することもポイントです。

どんな目的で施策を行うのか

広報の方であっても営業の方であっても、成果の報告の流れを組み立てていく際に、一番大切なのは「目的」です。業務のなかには、月に何回プレスリリースを配信といった、習慣的に行っている業務もあると思います。しかし、指示されたことに対して行動するのではなく、当たり前に行っていることに対しても、改めて「何のためにこの活動が必要なのか」を考えてみてください。

そこに向かって行動していくクセをつけていくと、自然と、成果報告の際にも、どの施策が何をクリアしたのかが報告しやすくなります。同時に、目的までのアクションも逆算しやすくなります。

会社全体へのフィードバック

広報の効果をどう表現するかについてですが、成果を訴求する難しさは、営業部門も生産部門も感じているはずです。例えば、「その商品が売れたのはある一部門だけの効果なのか」というと、必ずしもそうとは言い切れない。事業プロセスのなかで分業していって、その一部を担っているのが各部門なので、そこだけの貢献と言い切るのは、どの部門でも難しいのではないかと思います。

このような現状を踏まえると、自らの活動について、積極的に社内へフィードバックしていくこと自体が、広報の重要な役割のひとつだといえるでしょう。どのような広報施策をしたことで、どれだけの認知が得られ、その後どのような変化が起きたのか、評価されたのかについて、会社全体に発信できているでしょうか。

意外と会社の中にいると、自分たちが世間からどのように見られているのか知らないことも多い。広報活動で得られた「生の声」を社内で共有することが...

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