社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。
システムキッチン・バスを中心とした住宅設備機器メーカーのタカラスタンダードが、2022年5月30日に創業110周年を迎えた。
企業としての原点を大切にしながらも未来に向けた「進化・変革」をテーマに生まれたのが、「次のスタンダードをつくるんだ。」というスローガン。
「100周年では社外向け施策が多かったこともあり、今回は会社を築いてきた社員への感謝と、『新しい未来を自分たちがつくっていくんだ』と感じてもらえるものを意識しました」と、管理本部総務部広報グループ係長の井上恵梨子氏はスローガンや施策への思いを語る。
記念ロゴ発表のほか、特設サイトでは記念動画公開や、自社製品のユーザーやタレント、社員から寄せられたアイデアを紹介する「110の水まわりキャンペーン」を掲載。約2カ月で500近いアイデアが集まったという。
コラボの理由にもこだわりを
また、大阪のシンボルとして知られる通天閣が今年5月に開業した体験型アトラクション「TOWER SLIDER」の乗り場に、ホーロー壁装材「エマウォール」を寄贈。さらに、47都道府県に住み、笑いの力で地域活性化を図る「よしもと住みます芸人」を起用し、山形、草津、高松のショールームを体感してもらう「よしもと住みます芸人 タカラ放浪記」の動画も公開した。
「歴史を振り返るアイデアも出ましたが、せっかくならば『こういう企画ができる会社だからこそ110年続いたんだ』『きっと未来も成長していける』と感じてもらえるきっかけにできたらと考えました」と営業本部営業企画部コミュニケーション推進グループの植村真課長。
通天閣や吉本興業ホールディングスとのコラボ企画にも明確な理由がある。初代通天閣の建設は同社創業の2カ月後...