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インターナルコミュニケーションと企業ブランディング

モスフードの地域を巻き込んだインターナルブランディング

金田泰明氏(モスフードサービス)

50周年を迎えた今年、一地域を巻き込んで大規模な周年プロジェクトを行ったモスフード。メディアから大きな反響を呼んだだけではなく、社内のエンゲージメントの向上にも繋がった。同プロジェクトを行ったことで得た成果や成功の鍵を聞いた。

図 50周年施策の全体図

出所/モスフード

フランチャイズ方式によるハンバーガー専門店「モスバーガー」の全国展開および海外展開を行っているモスフード。社員数は1370名、全国のキャスト数は約2万5000名。海外にも1980年に台湾に本格展開して以降、アジアを中心に9つの国と地域に447店を出店している。今後は自社ブランドを活用するマーチャンダイジング事業についても強化していく予定だ。

1972年に創業し、今年50周年を迎えたモスフードは大規模な記念事業を実施。同社執行役員 会長・社長室長の金田泰明氏は地域や他企業、メディアを巻き込んだ50周年事業の概要と、同時に行ったインターナルブランディングについて説明した。

駅名を変更する大胆な企画

プロジェクトの発足は約3年前の2019年。他社の周年事業のリサーチを始め、全社員を対象に「50周年で何をしたいか」「会社に何を期待しているか」などのアンケートを実施した。2020年にはプロジェクトチームを発足し、プロジェクトの方向性やミッションを決定。そして2021年1月に本格的にプロジェクトがスタートした。部内メンバーは4名、オブザーバーとしてマーケティング本部、有志社員13名もサポーターとして参加した。

金田氏は「同プロジェクトを通じて、インターナルについてはさらなるロイヤルティとエンゲージメントの向上を目指しました。ステークホルダーの方々には感謝の気持ちを伝えることと、さらなる企業ブランドの向上、未来のモスグループに対する期待感やワクワク感の醸成を目的にしました」と話す。中でも、期待感やワクワク感を最大限に感じられるような施策を打ち出すよう努めた。

周年事業は、イベント「なりもすへ行こう!」や企業ロゴの刷新、50周年マーク・新キャラクターの作成、50周年記念サイトの開設などいくつかの企画を用意。中でも事業の一番の目玉企画は、モスバーガー創業の地である東京都板橋区の成増で行った「なりもすへ行こう!」だ。「感謝」「地域活性化」「ワクワク感」をテーマに定め、1カ月間継続して実施。東武鉄道とコラボし、成増駅の看板を「なりもす駅」に変更すると、メディアでもたちまち大きな話題を呼んだ。

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