BtoB広報がより重要に 社会的な関心集める「アジェンダ」設定とは
市場が成熟し製品やサービスなどでの差別化が難しくなった時代において、企業成長を続けるには、社会的な関心を捉えた「アジェンダ」(議題や課題)を設定し、それに応える企業の存在意義「ソーシャルメッセージ」を発信することが効果的だ。
BtoB広報の実践
社会や環境のサステナビリティの観点から、自社がどのように見られているのか、現在の評判や今後のリスクを再点検しておこう。改善すべき点、発信を強化すべき点を整理しておくことが、企業価値を高める広報の実践につながる。
メディアの関心や社内外のステークホルダーからの支持を高めているBtoB広報には、共通点も多くあります。それは「社会課題と自社とのかかわり」「組織のトップや働く人たちの想いの発信」「他者とのコラボレーション」という切り口を持っているという点です。
就活生をはじめ若年層からの認知度の低い企業であっても、社会課題への取り組み姿勢を積極的にアピールすることで、それが採用試験を受ける志望動機になっているケースがあります。個々の技術力や商品は分かりにくくても、どういったことを目指しているのか、どんな社会課題を解決しようとしているのかが分かれば、共感も得やすいということです。社会的なテーマと共に、組織や事業について語られれば、その分、記者も取り上げやすくなります。
ここで強調しておきたいのは、従来から当たり前に実施している事実であっても、発信しなければ伝わっていかない、ということ。社会の流れや事象を踏まえて、自ら働きかけ、自社の目指す方向やその源となる事実を伝わるようにタイムリーに発信していく必要があります。