BtoB広報がより重要に 社会的な関心集める「アジェンダ」設定とは
市場が成熟し製品やサービスなどでの差別化が難しくなった時代において、企業成長を続けるには、社会的な関心を捉えた「アジェンダ」(議題や課題)を設定し、それに応える企業の存在意義「ソーシャルメッセージ」を発信することが効果的だ。
BtoB広報の実践
BtoB企業が広報活動において記者発表会を開く際、気を付けるべきポイントとは?電通PRコンサルティング 情報流通デザイン局 チーフ・コンサルタントの斉藤裕氏と、同コンサルタントの市村将人氏に話を聞いた。
BtoB企業の広報の前提としてまず、自社の事業や製品が、社会にどれだけインパクトを与えられるのかを冷静に認識することが重要です。認知の少ないBtoB企業が、単に自社をPRするプレスリリースを送っても記者に振り向いてはもらえません。
例えば社会の流れを踏まえて、あえて逆を行く構造をつくるとメディアが関心を持ちやすく、情報も拡散しやすくなります。輸入小麦粉の価格高騰が頻繁に報道された頃に、値上げが抑えられていた「米粉」を逆説的にPRする、といったように世間の関心事に掛け合わせた切り口は効果的です。昨今は、BtoB企業においても、取引先のさらに先にいる生活者まで見据えた情報発信をしていく必要もありますから、社会の流れは特に意識したいところです。
その上で、「どんなメディアに取り上げられたいのか?」を定めることもポイントです。「誰に何を伝えたいか」を明確にすることで、リリースから記者発表会まで一貫性をもって設計することができます。
ターゲットが専門誌の場合、一方的な発表会を開いても複雑なBtoB事業の場合はメッセージが伝わりにくく効果は見込めません。そうした時は双方向的なコミュニケーションが...