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受験生の心を動かすファクトが見える!募集戦略・学校ブランディングの改善法

ボーダーリズム

大学・短大・専門学校など学校に特化したブランディング、募集広報を行うコンサルティングファームのボーダーリズム。コンセプト開発からデジタル設計まで、各校の体制・予算に応じて担当者と伴走するスタイルをとる。学校の魅力を表出させ、学生募集の効果を高めるための勝ち筋とは?

18歳人口が減る中でも、志願者数を増やしたい。私たちの学校に関心を持ちそうな潜在層はどこにいるのか──。学生募集を担う広報担当者のこうした悩みにこたえ、募集戦略からクリエイティブの開発、さらにはブランディングまで支援するのがボーダーリズムだ。

「学校側が訴求している魅力と、志願者側が関心のある事象がズレている。こうしたケースは非常に多いです」と同社代表の酒井文也氏は話す。いったい何が起きているのか。

真の訴求点をあぶり出す

同社が、理念策定から募集広報戦略の立案、広報物の制作、オープンキャンパスの企画まで手掛けた山野美容芸術短期大学の事例を見てみよう。

同大学では、美容分野への志願者数が停滞・縮小傾向にある中、建学の精神を基に広義の意味での「美」をコアにした改組を進めてきた。美の社会価値をコンセプトブックなどにまとめブランディングを進める一方で、ボーダーリズムが提案したのは、「最初から美容分野を志望している人以外に、潜在志願者層を発掘する余地があるか」を検証するテストマーケティングだった(図1)

図1 Twitterを活用し、潜在志願者層はどこにいるのかを検証
山野美容芸術短期大学では、単に「美容師を育成する大学」のイメージから「人や社会を美しくする大学」へとコンセプトをシフト。それに伴い、コンセプトブックから複数の訴求テーマを抽出し、配信セグメントを分類。大学情報への反応率はどのセグメントが高いのかをTwitter広告で検証した。その結果、「クールジャパン(サブカルやコスプレ)」を好むユーザーに志願者発掘の余地があることが分かり、ウェブやパンフレットのコンテンツを改善した。

「コンセプトブックから4つのセグメントを抽出し、Twitter広告でどの層が大学情報への反応が高いか測定しました。当初、大学の強みである伝統美を嗜好する層の反応が高いと予想しましたが、結果はサブカルやコスプレなどのクールジャパンを嗜好するユーザーの反応率が非常に高いことが分かりました」とクリエイティブディレクターの横地祐人氏は話す。

潜在志願者層が大学に興味がわく状態をつくり出した上で、出願の鍵となる大学での学びや理念、キャンパスライフ、将来への進路といった情報を見てもらい理解を促す。これからの募集広報では、こうした視点が肝要になる。

なお同大学ではこのテストマーケティングの結果を受け、サイトのコンテンツや、パンフレットの特集、オープンキャンパスの企画に反映させていくといった改善を行った。さらに共感や支持を獲得するストーリーやファクトに基づくクリエイティブ開発により、受験者数を着実に増加させている。

学校側が強く打ち出している情報は、本当にターゲットの心を動かしているか。来訪者のアクションを検証し、学内に根拠を持って広報戦略を提案できるようにする。これが、ボーダーリズムが得意とする手法だ。

150秒で魅力を体感させよ

資料請求やオープンキャンパス予約、そして出願が、オンライン上で完了することを考えると、学校のオウンドメディアの重要性は高い。だが「広報予算を見ると、認知獲得に多くを割きすぎて、オウンドメディアに手がつけられていない傾向がある」と酒井氏。

そこで同社では、学生募集用のランディングページ作成を支援する「ヒモトク」の運用も行っている(図2)

図2 反応率分析で「いつ誰に何を」訴求すべきか根拠を得る
ボーダーリズムが開発したプラットフォーム「ヒモトク」を活用し、山野美容芸術短期大学のランディングページを制作。大学の魅力を伝える9コンテンツのうち、どの記事の反応率が高いかをログ解析した。「認知・興味醸成」期と「理解・出願」期では、関心の高まるコンテンツに違いが見られた。

これは学校の魅力を複数記事化し、どのコンテンツで反応率が高まるか、ログ解析できるサービスだ。「ユーザーが学校のオウンドメディアに1回訪問した際の平均滞在時間は、約150秒。わずか3分弱で学校の魅力を体感してもらわなければ、次はありません」と横地氏。さらに、初回のサイト接触から資料請求やオープンキャンパス予約といったコンバージョンにまで至る時間は約2カ月かかる。継続して来訪させるコンテンツの開発が必要だという。

*横地氏が携わった約30大学での調査

併願校ではなく本命校としてユーザーに選んでもらうには、認知、理解、共感、そしてアクションへと進みやすくなるようなオウンドメディアの切り口を把握しておきたい。だが、学校ならではの難しさもある。

「受験生の背中を押すのは、キャンパスの綺麗さなのか、就職率なのか、訴求点が多い学校はその答えを見つけにくいもの。また、受験生が広く学校を調べている段階なのか、出願先を選ぶ段階なのかで求める内容も変わっていきます」と横地氏。だからこそ、感覚値だけでなくデータを使った広報戦略の仮説検証が問われている。

学校内部の改革を支援

ボーダーリズムの特徴は、募集戦略にとどまらず、学校ブランディングも伴走し支援している点にある。100校以上のブランディング実績がある酒井氏は「周年や新増設などを機に、ブランディングを始める傾向があります。目指す旗印を決め、どのような学生を育てたいかを考えることで、獲得したい志願者層は明確になります。ブランディングを軸に募集広報まで接続して戦略を立てることで、学校側と学生側のより良いマッチングが進みます。それは、学生の人生の選択肢を広げることにもなるのです」と話す。

教育、研究機関である大学の場合は、ステークホルダーも多様だ。教員と職員とのパワーバランスなど、各大学特有の課題もあるが、ボーダーリズムでは、組織に応じたブランディング推進のチーム体制や、決定プロセスづくり、内部改革も担当者と一緒になって行う。

こうしたブランディング活動は、学校の理念、価値を掘り下げ、共感や支持を得るストーリーを見つけ、自校の強みと確かな基盤をつくるプロセスにもなる。インターナルブランディングと外部データの分析による改善が、学校の価値を高める広報活動を生むのだ。

(左)ボーダーリズム
代表取締役社長
酒井文也(さかい・ふみや)氏

リクルートで約400校の募集広報、100校のブランディングに携わった。2018年ボーダーリズム設立。社員数4名(2022年9月時点)。
(右)ボーダーリズム
クリエイティブディレクター
横地祐人(よこち・ゆうじん)氏

博報堂アイ・スタジオにてデータ起点の戦略立案を数多く経験。現在は進学領域に特化したデジタルプランニングを担う。

    お問い合わせ

    株式会社ボーダーリズム
    https://www.borderizm.jp/
    〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-3-1 QIZ恵比寿902
    info@borderizm.jp

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