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サステナビリティ発信に欠かせない企業のメディア化とは?

インフォバーン

8月、「企業のメディア化」をテーマにしたオンラインイベントに広報担当者らの関心が集まった。主催したのはインフォバーン。企業がサステナビリティを推進するにあたり、オープンかつ主体的な発信姿勢へと変革することが不可欠になってきたという。

執行役員 エクスペリエンス部門 部門長 羽村悠己氏(中央)、同部門 シニアコンテンツディレクター 田中圭子氏(右)、同部門 コンテンツディレクター 大里耕平氏(左)

「統合報告書やコーポレートサイトを通じて、サステナビリティの取り組みを報告してはいても、株主・投資家以外のステークホルダーにも読まれ、対話を生むようなコンテンツの発信まではできていない。そうした課題を持った企業からの相談が増えてきています」。インフォバーンの執行役員 羽村悠己氏はこう話す。同社は創業の出版社時代から四半世紀にわたり情報発信にこだわり、この10年来オウンドメディアの構築と運用支援を行ってきた。

かつては商品・サービスの購入促進を目的にした運用が多かったが、昨今は、サステナビリティに対する企業姿勢を正しく発信、蓄積し、コーポレートブランディングを行っていくためのオウンドメディア活用の相談が増えたという。

「財務情報だけでなく非財務情報によって企業が評価されるようになってきたことを背景に、社会の一員として環境や社会問題の解決にいかに取り組んでいくかについて、株主・投資家に限らず様々なステークホルダーと対話していくことが求められています」(羽村氏)。

広報予算が変わる!?

脱炭素をはじめとした長期のサステナビリティ目標を実現するには、企業が主体的に従業員、取引先、サプライチェーン、株主・投資家、求職者といったステークホルダーとつながり、未来像を示し、意識を変えていく攻めの広報活動が要る。

「コーポレートコミュニケーションが、企業の将来を握る重要な位置づけとなっており、この2、3年で広報と宣伝の予算配分が変わっていくだろうと予測しています。しかし、そこにいち早く気づいて広報予算を割く企業はまだ限られています。広報担当者の方がもっと仕事をしやすくなるよう、流れを変えていきたい。そうした問題意識から、8月にサステナビリティ経営を推進する企業のメディア化をテーマとしたトークイベントを開催しました」(羽村氏)。

サステナ発信の7ポイント

羽村氏は、サステナビリティ発信におけるオウンドメディア(サイト)活用のポイントについて以下を挙げた。

①情報発信のターゲットを株主・投資家にとどめず、多岐にわたるステークホルダーと、その関心に沿ったコミュニケーションができる ②開示基準に沿った報告書とは異なり、企業が主体的な発信をしやすい ③年次報告だけではない継続的な発信で、対話が生まれやすい ④状況や環境の変化に応じてリアルタイムに発信できる ⑤結果報告に至るまでのプロセスやどのような議論がなされてきたのかをオープンにできる ⑥従業員らにとっての学び、啓発にもなり、サステナビリティ実現の土壌づくりができる ⑦識者や取引先など、客観的な視点を取り入れて発信できる、の7つだ。

中でも重視するのが⑤のプロセス開示だ。コンテンツディレクターの大里耕平氏は「同じように利益を上げ、サステナビリティ目標を掲げている企業が2つあったとしても、そこに至るプロセスは異なりますし、そこから語られるストーリーは変わってきます。結果の報告だけでは対話が生まれにくいものですが、今取り組んでいることの途中過程を開示すれば、それは他社にまねできないオリジナルの価値になりますし、対話のきっかけを生み出します」と話す。

新たなリレーションを生む広報

実際、インフォバーンがオウンドメディア制作を支援するにあたっては、プランナーとコンテンツディレクターが、企業の目的やゴールに応じてコミュニケーションの戦略を練り、サイトの編集・運用方針を策定している。サイト構築からデザイン、コンテンツ企画、制作、アクセス状況の分析などを行い、最低でも2、3年かけてサポートすることが多いという。

「サステナビリティに関する経営陣の意識は高くても、情報を発信する現場においては『何を発信すればいいのか分からない』と悩まれることは少なくありません。そのため、時には社内の関係者を集めてワークショップを行いイメージをすり合わせたり、意見や情報を可視化することからはじめるプロジェクトもあります。また、社内だけでなく取引先などの社外を巻き込む手段としてもオウンドメディアは有効です。オウンドメディア担当者がそのリレーションの中心となり企業同士の結びつきを強めていった事例も多数あります」とシニアコンテンツディレクターの田中圭子氏は話す。

ステークホルダーに直接アプローチし「企業がどのような未来を描いているか」を主体的に発信し、サステナビリティの実現という大きな目的を同じくする相手と協業していく。従来のメディアリレーションズとは異なる、こうした関係構築のあり方、広報活動は、今後ますます加速していきそうだ。

オウンドメディアの中にコメント欄を設け、対話の透明性をより高めていこうとする企業も出てきている。サステナビリティの取り組みについて、株主・投資家への結果報告で終わらせず、対話を生み出すための、一歩先を行くオウンドメディアの活用方法を、改めて見直したい。

インフォバーンが主催したオンラインイベントの様子。写真はサステナビリティ経営に詳しい夫馬賢治氏(右)とインフォバーン代表取締役社長の田中準也氏(左)が、サステナビリティ経営を推進する広報の役割を語ったセッション。

イベント「サステナビリティ経営を推進する『企業のメディア化』とは」のレポート記事が読める!

サステナビリティ経営で重要度を増す広報の役割~経営者・広報担当がまず取り組むべき一歩とは?

https://www.infobahn.co.jp/ib_column/14504

情報発信が企業の価値をつくる ─これからの広報が担う「プロセス開示」への道筋─

https://www.infobahn.co.jp/ib_column/14514

    お問い合わせ

    株式会社インフォバーン
    https://www.infobahn.co.jp
    〒150-0044 東京都渋谷区円山町23-2 アレトゥーサ渋谷
    お問い合わせやオウンドメディアのご相談はフォームより受け付けています

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