報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
世界文化社『家庭画報』DATA | |
---|---|
|
質の高い衣食住や美容、ジュエリー、伝統文化、旅、医学などの情報を、大判で美しい写真とともに届けている『家庭画報』(世界文化社)。
メイン読者層は50代女性だが、回読率が高く(読者アンケートによると平均回読人数7人)、娘世代の20~30代女性や夫世代の男性にも幅広く読まれている。企業からは、富裕層向けのライフスタイル誌として注目を集める。
2022年3月号で創刊65周年を迎えた同誌。コンセプトである「夢と美を楽しむ」を体現する美しい写真と、目が肥えている読者を満足させる確かな情報を届けることに力を注いできた。
「アバンギャルドな雑誌」
編集長の千葉由希子氏は、65年間にわたって受け継いできたこれらの姿勢は「『家庭画報らしさ』という言葉に集約される」という。「私は入社直後の配属が『家庭画報』編集部だったのですが、その当時から、そして現在も何かをジャッジするときは『家庭画報らしいか』を軸に決めます。それは写真の撮り方やレイアウト、書体などにも現れていて、もし『家庭画報』のページが破れて道端に落ちていても『家庭画報の誌面だ』とわかってくださるようなつくり方を目指してきました」。
もうひとつの「家庭画報らしさ」は、常に最先端のテーマを取り上げてきたことだ。「『今こんな時代だからこそこのテーマをやろう』と思ったら、すでに何十年か前に取り上げられている。時々で切り口は違えど『やっていないテーマはもうないな』と思うほどです」。
例えば、更年期女性が抱える健康問題への関心が低かった約40年前の時点で、閉経期の女性の体調や心身の変化について取り上げている。一方、2022年1月号では“宇宙旅行時代”を予感させる特集を展開した。
「伝統文化を深く取り上げることも強みですが、いつの時代も最先端の情報をお届けしてきました。多くの方は『家庭画報』はコンサバティブな雑誌というイメージをお持ちかもしれませんが、私はむしろアバンギャルドな雑誌だと思っています。今後も『家庭画報』らしく誌面を制作していきます」。
月1回の編集会議では...