企業アカウントでは、商品の写真や従業員、店舗などを魅力的に、そしてSNSで消費者の心を打つ写真を撮るスキルが求められる。料理インフルエンサー・山本ゆり氏が実践する、ファンを動かし、拡散につながる「写真の撮り方」とは。
身近な材料で簡単にできる料理を魅力的な写真とともに日々投稿し、Twitterは120万、Instagramでは126万フォロワーにのぼる、料理インフルエンサー・山本ゆり氏。彼女の“食べ物”のおいしさや魅力を切り取った、拡散につながる投稿にはどのようなポイントがあるのだろうか。
存在感を引き立つ試行錯誤
「私は撮影に関して専門的な技術や知識があるわけではありません。道具も揃えたいと思いつつも、今は残念ながらiphone7のみ⋯⋯。写真に関して専門的に語れるわけではありませんが、日々の投稿の中では、きれいな写真より、いかに『おいしそう』で『簡単につくれるか』が伝わる写真を心がけています」と山本氏。
まず「おいしそう」の部分。「いくら味に自信がある料理でも、SNS上では匂いや味を感じてもらうことはできません。唯一の伝える手段である写真で『おいしそう』が引き出せないと意味がないと思っています」。具体的には、画角・光の具合・色味・小物などで工夫ができるという。
画角によって、料理の映り方は変わってくる。アップ・俯瞰・左右、また断面を見せるパターンなどを、様々な光の当て方で複数撮影し、一番「おいしそう」な角度を探っていく。
「炒め物などべちゃっとしたものであれば俯瞰、高さがある料理は真横から、など工夫できます。また、料理は“存在感”が重要です。器などを替えて印象を変えて、その料理が一番引き立つ形を探します」。普段よりあえて浅めや小さめな皿を選び、詰めることで、高さやインパクトが出る。皿の印象は、肉眼で見たときと、写真に撮って見たときとでは異なるため、写真の中で判断する必要があるという。
料理の色味は、カラフルが基本でありつつ、時にあえて単色の料理で存在感を打ち出した方が「おいしそう」に見えることも。
「例えば、『照り照り豚丼』(投稿①)では、ごはんとお肉だけ。茶色一色ではありましたが、おいしそうに見えたポイントは...