発信力から拡散力へ 情報が広がるコミュニケーションのヒント
SNSでの情報の広がり方は今、どのように変化しているのか。コミュニケーション環境の変化や生活者の心理を知り、ポジティブなUGC(ユーザー生成コンテンツ)が生まれやすい設計を考えていきたい。
消費者主導で広がる!SNSの広報戦略
累計15万個を販売するトランポリン「シェイプキューブ」。クッションのようにも見え、家で使用しても騒音が響きにくい、とコロナ禍にヒット。第2弾商品はSNSの声を反映して開発されていた。
左からシェイプキューブ、シェイプエイト。
@gymterior.home
●運用アカウント:Instagram
●運用体制:1人
インテリアに馴染むデザインを強みに「暮らしにとけこむエクササイズ体験」を提案する「ジムテリア」シリーズ。コロナ禍での家ナカ需要を追い風に売れ行きを伸ばしている。中でもヒットしたのがトランポリンの「シェイプキューブ」。アメイズプラスPR事業部の藤菜奈子氏は次のように振り返る。
「前提にあるのは、時代に合った商品開発ができたこと。普遍的なニーズがあったトランポリンですが、コロナ禍でおうち時間が増え、おうちエクササイズの需要が高まったことや、シェイプキューブの特徴であるインテリアに馴染むデザインや静音設計などが、集合住宅にお住まいの方にもマッチしたことが、成功の要因だと思います」。
メディアの活用については、2020年7月の予約開始に合わせInstagramでの発信をスタート。「こう見えて実はトランポリン」「トランポリンは欲しいけど、インテリアの邪魔になるものはちょっと。という方に」などと投稿。同年8月のプレスリリースでは「リビングに置きたい!家庭用フィットネスグッズ予約殺到」と打ち出した。SNS上で「これってトランポリンなの?」と関心を集めていることや、発売前にもかかわらずInstagramに投稿した動画の再生回数が9万を超えていることにも触れ、ヒットの下地をつくっている。
「メディアに受けるだろうなと思ったのは、一見クッションに見えて、実はトランポリンという面白さでした。テレビ番組に取り上げていただたい際にも、“コレ、何に見えますか?”というクイズから始まり、タネ明かしで“実は!”という驚きのある演出を行ってもらいました」と藤氏は言う。リリースにひと工夫を入れることも忘れていない。発売日の翌日に配信したリリースのタイトルは「大人が欲しい『トランポリン』完売 ※写真の中に隠れてます」とし、写真でも記者の興味を引く。ネット上での盛り上がりをさらに広げていく活動を行っていた。
シェイプキューブのSNS戦略に関しては...