テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。
『サンデーLIVE‼』 |
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テレビ朝日、朝日放送テレビ、名古屋テレビ放送の3局共同で制作している『サンデーLIVE‼』。3局での制作体制というのは、テレビ界でもかなり珍しい。
「メインキャスターの東山紀之さんを支えるアナウンサーも3局から1人ずつ出ています。制作陣も3局の垣根なく一体となっています」。こう語るのは、江野夏平チーフプロデューサーだ。
番組は週のニュースをランキング形式で振り返るコーナー、朝刊の見出しチェック、天気など、「王道中の王道」と言える枠組みで構成される。
だが「ニュースを取材し、伝える姿勢」は「報道番組のステレオタイプ」に収まらない。たとえば、コメンテーターのあり方だ。
自分の言葉で前向きな番組制作を
「コメンテーターが個人的な感想を述べるのであれば良いのですが、専門外の事柄について解説したり、持論を述べたりすることが良いとは、私は思いません。ですから、私たちの番組ではやらないようにしています」。テレビ番組の台本は通常、出演者の発言があらかじめ文章として書き込まれている。だが、『サンデーLIVE‼』では、あえて箇条書きとなっている。
「たとえば大谷翔平選手の活躍を伝えるときであれば、台本には打率やホームラン数などの情報だけを記します。メインキャスターの東山紀之さんが、これをもとに自分自身のコメントを書き込んでいきます。スタッフにも番組を『綺麗にまとめなくても良い』と言っています。出演者の方々にも『生放送』らしい、自分の言葉で、コメントしてほしいからです」。
ニュースの切り口も、他の多くの報道番組とは一線を画している。
「つらいニュースが多い時代なので、できるだけ前向きな要素を拾っています。『追及型』ではなく『提案型』の番組にしたいと考えています」。
「提案型」とは...