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元ディレクターが直撃取材!テレビ番組制作者の本音

『サンデーLIVE!!』CPに聞く、製作者自らの経験や言葉で語る意味

下矢一良(PR戦略コンサルタント・合同会社ストーリーマネジメント代表)

テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。

『サンデーLIVE‼』

テレビ朝日系列で2017年10月から放送開始の情報番組。毎週日曜5時50分~8時30分。テレビ朝日・朝日放送テレビ・名古屋テレビ放送の3局が共同制作している。

チーフプロデューサー 江野 夏平氏
1992年テレビ朝日入社。『モーニングショー』『ニュースステーション』『ザ・スクープ』ディレクター、『スーパーモーニング』プロデューサーを経て、2019年7月より現職。

テレビ朝日、朝日放送テレビ、名古屋テレビ放送の3局共同で制作している『サンデーLIVE‼』。3局での制作体制というのは、テレビ界でもかなり珍しい。

「メインキャスターの東山紀之さんを支えるアナウンサーも3局から1人ずつ出ています。制作陣も3局の垣根なく一体となっています」。こう語るのは、江野夏平チーフプロデューサーだ。

番組は週のニュースをランキング形式で振り返るコーナー、朝刊の見出しチェック、天気など、「王道中の王道」と言える枠組みで構成される。

だが「ニュースを取材し、伝える姿勢」は「報道番組のステレオタイプ」に収まらない。たとえば、コメンテーターのあり方だ。

自分の言葉で前向きな番組制作を

「コメンテーターが個人的な感想を述べるのであれば良いのですが、専門外の事柄について解説したり、持論を述べたりすることが良いとは、私は思いません。ですから、私たちの番組ではやらないようにしています」。テレビ番組の台本は通常、出演者の発言があらかじめ文章として書き込まれている。だが、『サンデーLIVE‼』では、あえて箇条書きとなっている。

「たとえば大谷翔平選手の活躍を伝えるときであれば、台本には打率やホームラン数などの情報だけを記します。メインキャスターの東山紀之さんが、これをもとに自分自身のコメントを書き込んでいきます。スタッフにも番組を『綺麗にまとめなくても良い』と言っています。出演者の方々にも『生放送』らしい、自分の言葉で、コメントしてほしいからです」。

ニュースの切り口も、他の多くの報道番組とは一線を画している。

「つらいニュースが多い時代なので、できるだけ前向きな要素を拾っています。『追及型』ではなく『提案型』の番組にしたいと考えています」。

「提案型」とは...

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