報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
小学館『DIME』DATA | |
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「ビジネスに役立つライフハックマガジン」として、ビジネスパーソンが今一番知りたいモノ・コト・ヒトを深掘りして紹介している『DIME』(小学館)。ITやテクノロジー、マネー、エンタメ、カルチャーまで、毎月最新のトレンドを届けている。ターゲットはビジネスパーソンで、特に30~40代がメイン層だ。
ここ数年で女性読者増加
読者の大半は男性だと思われがちだが、販売担当部署の独自リサーチによると、この5年ほどで男女比率は従来の8:2から6:4まで女性が増加。編集室長の安田典人氏が編集長に就任後は、モノ・ガジェット系のメイン特集は減り、2022年も資産運用やメタバース、DIY、ソロ活とモノ系の大特集は組まれていない。
安田氏は「ここ数年で、女性にも『意外と読めるところが多い雑誌だな』と気づいていただけたのかなと思います。ゆくゆくは男女比が半々になるぐらいまで、女性にも支持してもらえる特集をつくっていければと思っています」と語る。
毎号の特集は、月1回実施するプラン会議で決めていく。部員から挙げられた案を元に、安田氏が内容や担当者を決定。紙幅の都合上、採用できなかったプランは、ウェブチームで進めることもある。
メインとなる大特集の担当編集者は3~4人、第2、第3特集は少なくとも2人で担当する。必ず複数人の班で、記事内容や構成について議論を重ねながら制作にあたるのがポイントだ。
「この体制にしている理由は、情報の詰まった特集記事をお届けするため。雑誌ならではの一覧性で、きちんと読み応えがあり、腹落ちしてもらえるような雑誌づくりを目指しています」。
媒体研究で編集者の心つかむ
編集部に日々届けられるプレスリリースは、特にウェブチームが細かく目を通し、本誌で活用できそうな情報は部内で共有するようにしているという。
広報・PRパーソンへのアドバイスとして安田氏は「『今、求めている情報はありますか』とよく聞かれますが、その頃には企画が進行していて、特集に反映しにくいことも多いです。そうではなく、『以前、〇〇特集を見たのですが、また同様の特集があればお役に立てる情報があるので、担当者を教えてくれませんか』と言われた方が効果的かもしれません」と指摘する。編集者にとって、自分が関わった記事を読んでもらえていることは励みにもなる。媒体研究は編集者の心に留まるポイントになりやすいということだ。