日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

サステナビリティ情報の発信

環境に対する当事者意識の薄さ~自己評価と国際評価のギャップ

北田皓嗣(法政大学)

環境経営にかかわる動向を解説しながら、企業の本業にサステナビリティを取り込み、コミュニケーションをしていくための考え方を整理します。

日本人の多くは環境問題に関心はあるものの、生活スタイルや購買行動を変化させようとまでは思っていません。ボストン コンサルティング グループが2022年に実施した調査では、環境負荷の少ない商品に対して関心があり買い物時にいつも選んでいると回答した先進的な消費者は全体の3%でした。これに対し、関心はあるものの実際の購買行動は起こさない消費者は61%を占めました。

国際的な評価とのギャップ

日本でサステナビリティを意識した消費行動が広がらない理由のひとつは、当事者としての責任感を育みにくいからかもしれません。国内の環境への取り組みに対する日本人による自己評価と、国際的な評価との間にギャップが生じています。旭硝子財団が2021年に国内で実施した調査によると「環境問題の取り組みが進んでいるイメージのある国」を尋ねる質問に対して日本であると回答する人が最も多くなりました。しかし国際的には日本が環境に積極的に取り組んでいる国とは必ずしも考えられていません。

環境問題には多様な要素が含まれるため単純な評価は難しいですが、例えばGermanwatchが2021年に発表したClimate Change Performance Index 2022では日本は64カ国中45番目にランキングされており、特に再生可能エネルギーの利用に関する項目で評価が低くなっています。日本は温室効果ガスの...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

サステナビリティ情報の発信 の記事一覧

環境に対する当事者意識の薄さ~自己評価と国際評価のギャップ(この記事です)
丸井の事例から考える、これからの経営とガバナンスのかたち
心の豊かさに焦点を当てる、丸井のウェルビーイング経営
サステナビリティ活動への「社員の主体的な参加」促進するヒント
従業員のサステナビリティへの取り組み姿勢、どこで差が出るか
サステナビリティ・コミュニケーションが抱えうる潜在的なジレンマ
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する