グローバルな存在の投資家意識した発信が、メディア、生活者にも響く
国連のSDGs提唱から早7年。SDGs視点での事業の捉え直しも進み、今や脱炭素に向けた取り組みに注目が集まる。しかし、この難解なテーマ。いかなる伝え方が正しい企業理解につながるのか──企業・メディア・投資家の各視点で有識者が語った。
今やあらゆる企業がサステナビリティをうたうように。その結果、誠実に取り組んでいることを誤解なく伝えることが逆に困難にもなってしまった印象だ。一方で、真偽を見抜くプロである記者は企業のメッセージの例えばどこを見ているのか。各メディアの編集長陣に忌憚ない意見を聞いた。
繊研新聞社
取締役編集局長
矢野 剛(やの・つよし)
1962年生まれ。東京都立大学経済学部を卒業後、1987年同社入社。アパレル企業、海外ラグジュアリーブランド、商社や素材メーカーなどの担当を歴任し、19年、取締役編集局長に就任。
昨年、ファッション・繊維企業11社が共同で「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」(以下、JSFA)という団体を創設したのですが、それを取り上げた記事には大きな反響がありました。
JSFAは、業界全体を従来のリニア型(一方通行)経済から、サーキュラー型(循環型)経済へシフトすることを目的としており、2050年を目安にファッションロスのゼロ化を目指しています。リニア型経済の課題として挙げられるのは、過剰在庫や大量廃棄の問題などが代表的ですが、そこにはカーボンニュートラルも含まれています。
興味深いのは...