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メディアの現場から

「人生100年時代」に寄り添う『婦人公論』の編集方針

中央公論新社 『婦人公論』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

中央公論新社『婦人公論』DATA

  • 発売日:毎月15日
  • 販売部数:14万3000部
  • 創刊:1916年
  • 編集体制:編集長を含め、編集者9人、庶務1人。企画会議は、月に1~2回程度。
  • 1916年の創刊以来、時代の変化に適応しながら、夫婦関係や子育て、人付き合い、健康などの身近で切実な女性の悩みに寄り添ってきた『婦人公論』(中央公論新社)。毎号、旬な芸能人や著名人の対談やインタビュー、美容・カルチャーの最新情報を掲載し、人生100年時代を充実させるヒントを届けている。

    2022年で創刊106年を迎えた。これまでは隔週刊で発行していたが、コロナ禍や書店減といった社会変化や、「しっかりした情報をじっくり読みたい」という読者の要望に対応するため、2022年2月号から月刊化。実売部数は2021年の平均に比して約3万部増、定期購読者数は年間で約2000部増加するなど、雑誌市況が厳しさを増すなかでも売れ行きを伸ばしている。

    2世代・3世代で読める

    主な読者層は50代以上の女性だが、30代~90代まで幅広い世代に支持されている『婦人公論』。特徴は、「母・娘・孫」の2世代・3世代がそれぞれの立場で読むことができる内容となっている点だ。

    「長生き時代は疲れない親子づきあいで」がテーマの2022年4月号では、介護や同居・別居といった家族の課題に対して、著名人の親子の対談や読者の体験談を紹介。親と子の両方の視点から本音を掘り下げながら、専門家のアドバイスや新サービスなどを紹介した。

    編集長の三浦愛佳氏は「人生100年時代と言われるように、寿命が延びて親と子の接する時間も非常に長くなっています。誌面では、有名無名問わず、様々な女性(時々、男性)にご登場いただき、様々なケースを紹介するようにしています。解決策や正解を押し付けるのではなく、ヒントやアドバイスを提供することで、答えは読者の方にご自分で見つけてもらえれば、という思いで制作しています」と語る。

    新しい情報への感度高い読者

    特集テーマは、読者との対話やアンケート、取材時に出たキーワードなどから考案。また、健康、料理、美容に関するリリースは、特集プランの参考にしたり、カラーの実用記事で紹介したりすることもある。

    中でも読者の関心が高いのはやはり健康分野だ。リリースは簡潔にまとめられたものよりも、医学的・科学的な裏付けがしっかりと記載されているものの方が編集者は企画提案しやすいと三浦氏はいう。

    「読者アンケートで『これからも...

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