三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は2021年5月に脱炭素に向けた宣言を発表。6月には複数の銀行で構成される脱炭素に関するアライアンスにも加盟。同社の脱炭素に向けた施策展開、その現在地について担当者に話を聞いた。
SUMMARY
☑中計のテーマのひとつにサステナビリティ経営を据え、カーボンニュートラル宣言、さらにはNZBAへの加盟など、内実伴った施策展開に
☑顧客、投資家、生活者それぞれに共感得られるよう発信方法を工夫
☑脱炭素の取り組みを推進すべく、グループ横断でワーキンググループを立ち上げた
2021年4月、MUFGは「世界が進むチカラになる。」というパーパスを新たに定義すると同時に、サステナビリティを基軸のひとつとした中計を発表。さらに翌月には邦銀初となる「カーボンニュートラル宣言」、6月には同じく邦銀として初めて、「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」*に加盟するなど、相次ぎ脱炭素に向けた取り組みを進展させた。
背景にはトップの決断
各種施策の背景にはトップの決断があったという。2020年10月に、菅義偉前首相が2050年カーボンニュートラル宣言を発表。世界、そして日本の企業も今後、脱炭素に大きく舵を切る必要性を感じ始めたという。
それからの動きが早かった。2021年4月にパーパスを新たに定義し、中計の発表からカーボンニュートラル宣言、NZBA加盟など、この動きには宣言のみならず実践を伴わせることで、本気の姿勢を伝える意図があった。
というのも、NZBAでは、加盟から18カ月以内に2030年・2050年までの温室効果ガス排出量削減の中間目標の設定や、取り組みの進捗開示などが求められるからだ。
つまり、NZBA加盟には単なる加盟表明のみならず、明確なアクションが求められるわけだ。そのため、カーボンニュートラル宣言の中でも、施策のひとつとして、逐次、取り組みの進捗を報告する、としている。
課題のひとつの浸透進める
宣言、そして...