テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。
『おはよう日本』 |
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最新のニュースを届け続けている、NHK『おはよう日本』。3時間にわたる番組のなかで、経済に焦点を当てているコーナーが、「おはBiz」だ。6時半を少し過ぎたころから約10分間、経済ニュースを伝える。
日経平均株価、ダウ平均株価、ナスダック総合指数、WTI原油先物といった主要な経済指標の放送に加え、各々約1分の厳選した経済ニュースを3、4項目、そして5分程度の特集が加わる構成になっている。
今回は、経済部デスクとして取材やニュースのピックアップに当たるだけではなく、月・火・水のキャスターも担当する、布施谷博人氏。そして、経済番組統括のチーフ・プロデューサー(CP)を務める菊池賢一郎氏に、「コーナーのコンセプト」「経済ニュースの選び方」などを聞いた。
世代を問わない“分かりやすさ”
「NHKのニュースは、若い人から高齢者まで全員に“分かりやすい”ことが重要です。それに加えて、出勤前のビジネスパーソンに、あるいは暮らしに役に立つ。そういう情報を心がけて構成しています」(布施谷キャスター)。
「『経済をサクサク深く』が、コーナーが始まって以来のコンセプトです。出勤前にコンパクトに短時間で経済ニュースを押さえてもらう。『深く』というのは表面的ではなく、キャスターがニュースの背景や意味合いまで考え、伝えるということです」(菊池CP)。
経済を“サクサク”伝えるには、ひとつのニュースを考え抜き、「伝える言葉」も研ぎ澄ます必要があると布施谷キャスター。
「短く、サクサク伝えるには、言葉を削いでいかなくてはなりません。おのずと、大事なワンポイントに絞り込んで伝えることになります。『詳しくは、後の7時のニュースを...