2011年創業、中古制服の買い取り販売を行う「さくらや」。全国に90店舗以上を展開するが、香川県発の事業であり、その上、環境配慮や、創業者の事業への想いなどから、開業から10年以上経った今でも取材依頼が頻繁に来るという。その背景を聞いた。
POINT
❶ユーズドショップという環境にやさしい側面が、今のSDGsの流れとマッチ
❷当時としては珍しいコミュニティビジネスが地元企業の共感を得た
❸「さくらや」と創業者「馬場加奈子」氏の両輪で、メディア露出を拡大させている
学生服の買い取り販売をしている「さくらや」には、様々なメディアから取材依頼が訪れるという。リサイクル関係の専門誌から、日経新聞、読売新聞、毎日新聞などの全国紙。果てはクイズ番組『東大王』など、バラエティ番組にも露出の幅を広げている。その原点とは。
月10本のブログが始まり
創業者である馬場加奈子氏はなぜさくらやを立ち上げたのか。シングルマザーで3人の子どもを持つ同氏。あるとき、当時小学生の次女から「学生服がきつくなったので買ってほしい」と言われたが、1万4000円もする新品の学生服を買うことに困惑。その時、「同じような悩みを持つ親は多いのでは」と考え、さくらやを開業した。
それから10年。数多くの取材があったが、「最初は創業から半年が経った頃、地元の新聞・テレビ局からの取材でした」。きっかけは1日10投稿、と自身に課したブログだった。当時は広告予算もなかった。そこで、ブログに毎日記事を10本書くことに決めた。「入荷情報のほか、今日はどこそこでポスティングしてます、とか、学校の前にエプロンを着てチラシを配っている様子を記事にしました」。
そうこうしている内に、地域住民のみならず、メディアにも知ってもらえるように。前述の地元の新聞・テレビ局から取材依頼が舞い込んだ。後述するが、さくらやは単なるユーズドショップではない。買取や販売をする中で、顧客の困りごとを吸い上げ、その解決策として馬場氏が、例えば店舗の空きスペースでイベントを開くことを考案。今でいうコミュニティビジネスの先端を行っていた。それが、ブログを読んだ当時のメディアからすると...