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成功事例に学ぶ「メディアPR」のポイント

「赤ちゃんが眠る魔法の椅子」その裏側に巧みなメディア戦略

AH Products

2021年10月、AH Productsが企画製造するアイデア椅子「LaLaCo(ララコ)チェア」が、“赤ちゃんを眠らせる魔法のイス”として、各種メディアに紹介され、見た人の反響を呼んだ。その背景にはマーケティング戦略の変更と合わせて柔軟に変えるメディア戦略があった。

開発者の原田暁氏は、「この椅子を思いついたきっかけは、自らの“パパ体験”です。赤ちゃんの寝かしつけは非常に難しいもの。その解決法を考えていたある日、バスの中で赤ちゃんがコロッと寝たのを見て、閃きました」と語る。

POINT

❶番組・コーナーのコンセプトをよく知った上で、最適なタイミングでアプローチすると確度高く露出につながる

❷マーケティング戦略の変更に伴い、メディアへの切り口も変化させる

新製品を発売する際には、話題化が期待できるメディアへの露出を狙った広報戦略を立てたい。本稿で取り上げる「ララコチェア」は、メディアを深く理解した上で確実な露出につなげた好例だ。

パパ体験で閃き、開発

このララコチェア、内蔵されたスプリング機能により座面に垂直に体重をかけることで自然と上下に動く。それゆえ、幼児を抱きかかえながら座ることで、その“浮遊感”により、楽に寝かしつけることができるというのだ。

2016年にこのララコチェアを開発。その後は、まだ世に知れ渡っていないこの商品をいかに認知拡大するかに注力する。──今回取材した原田暁氏はAH Productsの経営者でありララコチェアの開発者、そして同社・同商品の広報担当者なのである。

露出の数珠つなぎ

短期で効率的に認知拡大につなげるため、発売前から影響力のあるメディアに取材してもらい、その後、数珠つなぎで取り上げてもらうメディア戦略を打ち立てた。「新商品を極力低予算で認知してもらうには大手メディアに取り上げてもらうのが一番。そのためには、相手の意図にマッチした商品を、マッチしたタイミングで出さなければならないと考えました」。

原田氏が最初にアプローチしたのは、朝日新聞だった。「クラウドファンディングの黎明期に、朝日新聞社が『A-port』というサービスを始めたんですね。スタート段階なら、実際の利用者を取材して、A-portの話題化につなげたいはずなのではと考えました。そこで、実際に...

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