今、SDGsへの機運が高まる中、プラスチックの代替として紙製品・段ボール素材に注目が集まる。日本化工機材が開発した、強度があり「耐水性・防炎性・不燃性」の機能を持つ「角紙管」。これを用いた商品開発の様子が、テレ東系『ガイアの夜明け』で放送された。

物流の梱包材などに使われる角紙管。実は湿度の関係でねじれが発生するのが難点だった。「梱包として使うのであれば、多少ねじれても問題ないが、什器に使うのであればねじれは致命的でした。そこで、『リニア方式』とよばれる製造方法を開発しました」と加藤氏。
POINT
❶展示会には積極的に参加することで、発信の切り口のヒントが得られる
❷ときに、取引先企業がメディアを紹介してくれることも
1962年創業、加工した紙製品などの製造・販売を行う日本化工機材。角型の紙管「角紙管」は、物流の梱包材などに使われ、一枚では薄い紙も、積層、圧縮して成型することで、人、果ては自動車の重量まで支えられることから木材、樹脂、金属などの代替として使用されている。さらに、再生紙が素材のため、サステナブルだ、と注目を浴びている。本稿では、発信の切り口をより“鋭く”したことで露出につながった例を紹介する。
展示会が今後の発信の種に
角紙管の歴史を、同社技術事業部長の加藤千明氏は語る。「オイルショックのころから脱プラ、脱木材の流れの中で、“木材の代替品”として特に家電の梱包材として使われ始めました。かつては家電の製造工場が国内に多くあったのに対し、工場が海外に移転し国内が空洞化。それに伴い、当社の売上も落ちていきました。そこで、角紙管の新しい使い道を探さなければならない、と考え始めました」。
新たな用途を模索するのに合わせて、当時の角紙管の、湿度の関係でねじれが生じてしまう課題を、新しい製造方法を編み出し、解決。その結果、角紙管でできたラックなどの什器を開発することに成功した。
次はそれをどう広めるか、だ。デザイングループ兼広報も務める成田瑠里氏が語る。「これまでも2年に1度、TOKYO PACKというアジア最大級の包装の総合展示会、こちらに出展していました」。2018年の時点で、ラックなどはすでに出展していたが、2021年2月開催のときには、来場者からの生の声を聴く中で、変化を感じていたという。「『脱プラに取り組まなきゃいけない』『3月末が近い中でSDGsに関する目標を...