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直感的に伝わる投稿動画 ケーススタディ

従業員の個性を活かした内容の動画でメディアからも取材依頼が来るように

くら寿司 「178イナバニュース」

回転寿司業界大手のくら寿司では、従業員が自ら発案したYouTube企画を公式チャンネルとして発信している。企画から配信まで一貫して内製の本動画シリーズだが回転寿司ファンばかりか海外からも反響を得ているという。その背景を聞いた。

YouTube
ニュース番組のようなスタイルでくら寿司の魅力を伝えたい、という稲葉氏の提案で実現した「178イナバニュース」。内容は、例えばくら寿司の新商品を稲葉氏が企画している様子を流したり、新商品を試食し、その感想を述べたりと様々。根底にあるのは、稲葉氏のくら寿司への“愛”だ。

※くら寿司公式YouTubeより

DATA
開設年 2020年1月~
チャンネル登録者数 4780人(2022年2月15日時点)
出演者 くら寿司広報・マーケティング本部 販売促進部 稲葉亘平氏
コンセプト 楽しく、明るく、くら寿司を紹介すること
制作・運営体制 稲葉氏と同部の岩澤雄二氏で企画から撮影、公開まで行っている。一方で広報部の辻 明宏氏はこうも話す。「チャンネル開設当時は、部署全体を上げて人海戦術で制作していました。また、販促物の制作を担う従業員の中にIllustratorを使える方がいて、その方に動画ソフトも学んでもらい、編集している時期もありました」
更新頻度 週2回

くら寿司の公式YouTubeチャンネル「178イナバニュース」。同チャンネルで公開されている動画は例えば、同社の広報・マーケティング本部 販売促進部の稲葉亘平氏が、くら寿司が提供するすしや、店舗に設置されている設備などを、“くら寿司愛”全開で紹介するものだ。2020年に開設した本チャンネルの名前や開設の経緯を同社広報・マーケティング本部 広報部の辻 明宏氏に聞いた。

辻氏によると、本動画施策の発端は稲葉氏からの提案だったという。稲葉氏は以前からテレビ取材に立ち会う機会があり、動画を用いた情報発信については興味があった。その延長線上で、今回の動画施策を提案。上層部からGOサインが出たことで、実施に至ったという。

178イナバニュース、目標は年間178動画を投稿すること!
メインパーソナリティーの稲葉氏の姓からつけられた「178イナバニュース」。数字にちなみ、目標は178動画を投稿することだという。現在、週に2回新たな動画が投稿されており、視聴回数も徐々に伸びてきている。

※くら寿司公式YouTubeより

アイデアが実現しやすい環境

同社は、経営方針として「全員経営」を掲げている。これは、社長以下すべての従業員から定期的にアイデアを募り、各部署で提案されたものを実現する、同社の特徴的な指針だ。

「当社はこれまでにも、タッチパネル方式や直線型のベルト、回転する寿司を時間管理し、古くなったものを廃棄するなど、業界初の施策を数々打ってきました。これらは専門の業者から購入しているのではなく、社内で独自に開発してきたものです」。

こうした実績は全員経営が背景にあるという。なぜなら店舗に実際に出て、顧客と接しているからこその気付きが、前述のシステムの種になっているからだ。「例えば、各店舗のお客さまが利用する机には、皿を回収する口(ダストボックスのようなイメージ)があるのですが、そこには水が流れていて、水に流されて皿が厨房に届く、という仕組み。仮に専門の業者の方に依頼すると水以外の案も出るかもしれません。しかし、お客様視点に立って考え抜いた結果、衛生面や臭いの問題を解決するには水がベスト、という結論になりました」。

そうした全員経営の理念と実績ゆえ...

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