新型コロナの影響で本来取り組んできた活動の実施に苦戦する中、新しいアイデアやITの力で活路を見出した「まち」があります。今回はそんな事例を紹介します。


2021年2月16日に生駒市立あすか野小学校で実施された広島への「オンライン修学旅行」。一人一台配布されたタブレット端末を活用し、広島市の小学生と平和学習を行ったり、オンラインで被爆電車「650形651号」への特別乗車なども体験した。
コロナ禍に突入し、教育やまちづくりの分野でも、これまで取り組んできたことが思うようにできなくなったという例は多く耳にします。ただ、直接人に会えなくなったことで、逆に裾野が広がった例もあります。
今回はそんな「教育」「地域活性」分野での広報・PRの変化について解説します。
コロナ禍は社会人だけでなく、学生にも大きな影響を及ぼしました。授業の大半はオンライン。新入生はしばらくの間、画面越しでしかクラスメイトに会ったことがない状況も。さらに2020年、2021年の小・中・高等学校は全国的に修学旅行の中止や延期、近場への変更が余儀なくされました。
その状況で奈良県生駒市が開催したのが「オンライン修学旅行」です。2021年2月に、生駒市立あすか野小学校で、一人一台配布されたタブレット端末を活用し、広島県への「オンライン修学旅行」が行われました。元々2020年度に広島に行くはずだった修学旅行が、コロナの影響によりバスで行ける別の地域へ変更。残念そうな子どもたちを見た担任が、本来6年生で行うはずの平和学習を広島で実現できないか検討を重ね、このオンライン修学旅行を計画したといいます。
この企画・運営には、様々な企業や広島市の小学校が協力。そして、あすか野小学校の子どもたちが自分たちでつくったプランを実現したことが大きなポイントです。フェリーで厳島神社へ向かう映像を見る、Zoomで広島電鉄と中継を結び、被爆電車に乗車する、などオンラインならではの体験も実現しました。
旅行前のアンケート結果をもとに、単語の出現頻度や相関関係を分析してマッピングしたテキストマイニングを見ると、旅行後は明らかに自主的な行動を表す言葉が増えたとのことです。
子どもたちがつくったプランを実現させるために、まちの大人たち・企業が協力しあって本気で取り組む。そのような姿を見せることができれば、たとえオンラインという形でも、そのまちの魅力が存分に伝わるものになると感じました。
ITが教育と地域活性化を結ぶ
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