編集部では、テレビ、雑誌、新聞、ラジオなど16媒体の責任者に2022年注目のキーワードを調査。PR施策を考える上でメディア側の思考を押さえることは欠かせない。キーワードと自社との関連性を見出し、メディアに刺さる広報企画の切り口の参考にしてもらいたい。
このコーナーの読み方
①媒体名
②2022年に到来すると思うキーワード
※潮流、人物、現象などジャンル問わず3つ
③2021年に反響のあった企画orコンテンツ
④情報提供したいと考えている広報担当者に向け一言
⑤回答者プロフィール
①『グッド!モーニング』
②2022年注目のキーワード
●アフターコロナ
●インフレ
●大国の対立
③反響のあった企画:デリバリーサービス
公開月:月に1~2度放送
外出自粛で出前サービスは社会インフラとしてなくてはならないものとなった。アプリを使った時間指定や置き配など利便性も増したが、配達マナーの悪さや店とのトラブルなど問題も多く発生。進化の過渡期であるがゆえ起きた出来事を伝えたニュースが高い関心を集め続けた。
④簡潔で目をひく小見出し
「こういう映像が撮影できる」「この番組で取り上げられた」などの情報があるとイメージしやすいです。斜め読みして、切り口が魅力的だと読み込んでいくので、伝えたいことを短く区切り小見出しをつけてくれると意図が伝わりやすいです。
⑤

テレビ朝日
『グッド!モーニング』チーフプロデューサー
高崎文宏(たかさき・ふみひろ)氏
早稲田大学第一文学部を卒業後、1996年テレビ朝日入社。『スーパーJチャンネル』『羽鳥慎一モーニングショー』のプロデューサーを経て、2021年7月から現職。
①『Nスタ』
②2022年注目のキーワード
●メタバース
●サステナブル・エシカル消費
●ポジティブジャーナリズム
③反響のあった企画:トラック運転手 飲酒運転の実態(調査報道)
公開月:7月29日、および12月
千葉・八街市の悲惨な事故を受け、トラック運転手らの飲酒運転の実態を断続的に取材し放送。関東各地でドライバーが飲酒後に運転する様子をとらえ、取り締まりに密着するなどして啓発を行った。報道番組のコンテンツはこのような独自取材ものが、反響が大きい傾向にある。
④競合と合わせて紹介の許容も重要に
時事性のあるものと絡めた紹介だと取り上げやすいです。また、プロセスや舞台裏に興味がもてるのも目を引きますね。一方で、競合他社と合わせての取り上げが許容されないと扱いにくい面もあります。
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TBSテレビ
『Nスタ』プロデューサー
法亢 順(ほうが・あや)氏
報道カメラマンから社会部デスクなどを経て2019年からNスタ編集長、21年7月からプロデューサー。同年は東日本大震災10年の特別番組『つなぐ、つながる』プロデューサー兼務。
①『ザ・リーダー』
②2022年注目のキーワード
●「おひとりさま」ビジネス
●アフターコロナ
●カーボンニュートラル
③反響のあったコンテンツ:映像'90 ふつうのままで
公開日:2021年1月7日
報道ドキュメンタリーの動画配信は、著作権の処理はもちろんそれにかかる費用など制約が多く、なかなか実現できていない。その中で試験的に配信した「ふつうのままで」は、これまでに280万回再生を記録。ドキュメンタリー作品の配信のポテンシャルを示した。
④他社も含めて「トレンドとして売り込む」
特にテレビの場合、報道番組でも情報番組でも“単品”での扱いは難しいです。自社製品だけの売り込みではなく、競合しない他社製品やサービスを含めた「寛容な心」でトレンドとして売り込めば、担当者の目を引く可能性が高まるはずです。
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毎日放送
報道情報局 プロデューサー
奥田雅治(おくだ・まさはる)氏
1962年生まれ。ニュース編集長、ドキュメンタリー制作を経て、2017年から現職。「映像'13 隠された事故」で文化庁芸術祭賞、「映像'10 母との暮らし」でギャラクシー賞など受賞作を多数制作。