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企業を変革させる「周年事業」

はじめての「周年事業」計画 目的の設定、スケジュール感は?

「周年」の節目をうまく活用する企業は、理念の浸透やリブランディング、社内の一体感醸成など、経営における課題の解決につながる周年プロジェクトを行っている。周年の目的設定やスケジュール感などについて、『広報会議』が取材した事例の傾向からレポートする。

Q 周年事業の担当者の悩みは?

Voice

● もうすぐ周年を迎えるが、前回の周年の担当者がすでに社内におらず、どこから手を付ければいいのか分からない。

● 会社にとって重要な節目であり、慎重に進める必要がある一方で、ありきたりな施策になってしまっている。コロナの影響であきらめた施策もある。

● 慌てて準備を始めているが、その場限りにせず、周年を機にもっと社内を活性化させる方法を知りたい。

    POINT① 周年事業のテーマ、目的を決める

    「記念式典でステークホルダーに感謝を伝え、記念誌を社内に配布⋯」こうした枝葉の施策から考える始めると、一貫性のない周年事業になりがちだ。全社を挙げての周年事業を通して何を成し遂げたいのか。まずは「目的」をしっかりと定めておきたい。

    企業が今、抱えている課題から導き出せることはないだろうか。例えば「新しい社員が増え、会社の価値について自身の言葉で語れる人が少ない」という課題があるならば、「会社の歴史に触れながら、会社の価値や未来を考えるワークショップをして、その成果を展示しよう」。「事業が増えているのに、企業のイメージが旧来のままになっている」という課題があるなら、「ステークホルダーがどのようなイメージを抱いているか調査するところから着手して、新しいブランドステートメントをつくり、記者発表しよう」といったようにだ。

    経営上の課題から発案され、企業の未来に向けた企画であれば、社内も巻き込みやすい。会社の歴史を振り返り、ステークホルダーへの感謝を伝えることはもちろん、組織の課題を解決していくために、周年の節目を活用できないか、という視点も持っておきたい。

「企業が現状抱えている課題」から「周年の節目に何ができるか」発想する

創業時を知らない従業員と自社の価値や理念を共有し、自発的に動く人を増やしたい

⬇︎

社内
●経営陣が「企業の歩みや価値」を従業員と共有、「自社の未来」を話し合うワークショップを開催。理念体系を整理、言語化し、その過程を社内報で公開

社外
●周年を機にトップのメディア露出を増やし、理念のさらなる浸透を図る
●ステークホルダーが集まる記念式典で自社の歴史を展示。その後オフィスでも展示

固定化されたイメージを一新し、リブランディングしたい

⬇︎

社内
●社員、取引先、メディア、消費者に自社のイメージ調査。社内の有志メンバーでリブランディングに向け勉強会、全員広報を目指す
●コーポレートメッセージやロゴの刷新。外部クリエイターの起用による話題化
●旗艦店やショップスタッフの制服をリニューアル

社外
●新規事業、新ロゴの対外発表...

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