コロナ禍で、生き方を見つめ直す時間が増え、移住への関心が上がる中で、自治体にとっては発信の仕方が問われています。陥りがちな失敗も踏まえポイントを解説します。
2020年6月頃からコロナ禍に突入し、移住促進のプロモーションは丁寧な関係づくりを試行錯誤するための取り組みが増えてきました。また、まちの良さをアピールしようとしすぎるあまり、人々の怒りを買ってしまうものも目立つようになりました。今回は移住促進プロモーションの変化について解説します。
移住のハードルを下げる動き
移住促進のハードルを下げるプロモーションは、様々な自治体が工夫しています。例えば高知県の二段階移住の動画「一段階告白/二段階告白【こうち二段階移住PR動画 vol.4】」がよくできています。移住に失敗してほしくない思いから、学生の恋に例えて段階、情報、相互理解が大事という話を2~3分程度で紹介し、思わず「なるほど!」と膝を打つ内容になっています。
「出発、進行。くまもとぐらし Vol.1~3」という、地元のフリーランスクリエイターを活用した熊本市移住プロモーション動画も、実在の人物が登場するので移住をイメージしやすく、公式サイトのデザインも雑誌のような写真の配置で読みやすいです。
北海道下川町移住交流サポートウェブ「タノシモ」のサイトも、しっかりと移住者をインタビューしており、移住後をイメージしやすいようになっています。特に「1年後移住するぞ!プロジェクト」のコンテンツが、仕事探しや家探し、先輩移住者とのつながりをつくる内容が紹介されていて、移住前からまちのことを深く知れる状況をつくっているのが好感を持てました。
「ことば」のチョイスは要注意!
一方で、自治体の中にはまちの良さをアピールしようとするあまり、ほかの地域を揶揄する、傷つけることばも見受けられました。その例をふたつ紹介します。
2021年9月ごろ...