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コーポレートブランディングカンファレンス

パーパスドリブンマーケティング その目的は最適な顧客体験の設計

イグナイト

「パーパスって何?」。日頃よく耳にするが実はよく分からない。本稿ではそんな人のために関連用語含め、その定義をイグナイトの笠松氏が説明。その上でパーパスドリブンな施策を勧める同氏。なぜなら、企業の売り上げにも直結するからだ、という。

消費者の購買行動において企業やブランドの理念に重きを置かれる傾向にある。そうした背景から、企業もプロダクトやブランディング、事業活動を、その存在意義と社会的価値を結びつけて発信することが求められるようになってきた。それに伴って、重要性が語られるようになってきたのが「パーパスドリブンマーケティング」。これは、企業やブランドとしての存在意義を起点に、なぜその商品やサービスを提供するのかを明確にするマーケティング手法である。

パーパスを据えることは、企業が施策を打つ上で、その方向性の確認という点でも重要だ。「この施策は本当に自社の目指すべきブランディングにつながるか」など、立ち返る際の原点となるからだ。

しかし、改めて「パーパス」の定義とは?パーパスドリブンマーケティングを利益につなげる実践法を、イグナイトの笠松良彦氏が解説する。

「桃太郎」の話で分かりやすく

パーパスに加え、「ミッション」「ビジョン」「コアバリュー」、この3つの定義については諸説あるが、笠松氏は以下のように整理する。

「ミッションは、『使命・存在理由・目的』。ビジョンは『成し遂げたい姿』。そしてコアバリューが『付加価値・武器』です。そして、パーパスは日本語で『目的』なので、ミッションとニアリーイコール。そして、ミッション(=パーパス)は本質的に不変です。ここがころころと変わることはほとんどない。一方で、ビジョンは達成次第で変更してもよいもの。コアバリューは『付加価値・武器』なので、どんどん強化していくものです」。

こうした定義を社内で共有したうえで、言語化していくことが肝要だ。「よく見られるのが、『ミッションとビジョンの定義って何?』といった具合に、社員が基本的なことをよく分かっていない状態です。こうした場合、いくらブランドステートメントに耳心地のよい言葉を並べても、社員の行動につながることはありません」。

その共有をうまく進めるためにも、いかに各用語をシンプルなものにするかにも目を配るべきだ、と同氏。それぞれの役割を桃太郎の昔話になぞらえる。

「桃太郎にとっての普遍的なミッションは何かといえば、“村人が平和に暮らすこと”ですよね。物語のメインとなる“鬼退治”は、成し遂げたいビジョンであり、それを可能にするコアバリューに当たるものが“剣と勇気と仲間たち”なのです。そして、これは皆さん聞いてすぐ覚えられる。この“覚えられやすさ”が...

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