150人超のクリエイターが在籍し、これまで5000社以上でクリエイティブでの課題解決を行ってきたたき工房。パーパスを軸にした、同社が独自に持つメソッドで、確実に社員、社会に伝わるブランディングのポイントを解説する。
たき工房のブランディングの特徴。それは、「パーパス(存在意義)」の設定から、「成果につながるデザインクオリティ」までを追求している点だ。多くのクリエイターが在籍し、デザイン、アウトプットまでを一貫してサポートするため、見かけのブランディングで終わることなく、社員・社会に伝える武器(言葉やビジュアルなどのクリエイティブ)まで落とし込むことができる。
同社執行役員ブランドプランナーの竹嶋晋氏は、パーパスは「経営者に代わって環境変化に応えるための判断軸」になると説明する。「企業の存在意義は『生活者の期待(ニーズ)』『企業の約束(バリュー)』が重なった部分に現れます。昨今ビジネスの変革サイクルのスピードが上がっている中、企業にはアイデア数と判断スピードが求められますが、それを経営者だけに担わせると到底間に合いません。社員一人ひとりがアイデアを出し、判断を下せるようにするために『パーパス』が必要なのです」。
同社では、各社の風土に合わせたオリジナルフレームを用意し、社員の声を聞くワークショップを実施。そこから自社の存在意義を導き出す。「ブランディングは嘘があると絶対にうまくいきません。当事者へ徹底的なヒアリングを行い、創業者、役員、若手⋯すべての社員がやり抜く意志と情熱をもって取り組んでもらうことが重要です」。
そして、そこで決まったものを言語化、またCIやコーポレートサイト、ブランドブックなど、分かりやすいクリエイティブに落とし、ステークホルダーへと確実に伝えていくことで、はじめて成果に結びついていくのだ。
企業活動のスピードを上げる
後半は、同社ブランドデザイン部 アートディレクターの大入将太郎氏が登壇。実際に社員の想いを引き出し、クリエイティブで駆動させたパーパスブランディング事例として海洋研究開発機構の事例を紹介した。
同社では50周年を機に、組織内外の関心を高める狙いからブランディングをスタート。ニーズとバリューからフレームに沿ってパーパスを導き出すことに加え、スローガンとロゴの開発を実施した。
「ロゴはワークショップから生み出したスローガンをもとに、全職員から募集。当社のクリエイティブチームがブラッシュアップし、再度職員投票を行い決定しました。決定に至るまでのすべての工程に職員が接点をもつプロセスを踏むことで、想いが反映され、自分ごと化につながります。そしてそれらを軸に、記念動画や3DCGで表現した展示、パンフレットなどのクリエイティブをつくり上げていきました」(大入氏)。
また、パーパスによって組織内すべての活動が明確になる、と大入氏。「やるべきことが明確になることでクリエイティブに限らず、評価制度や採用活動、商品・サービスの開発まで、スピード感をもって、効率的に企業活動が展開できるようになるのです」。
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