コロナ禍で営業活動がオンライン化した結果、サイトが顧客の受け皿に。サイト改修に関する相談も増えてきたというが、ゼロベースで新たなページをつくるより、元々高いアクセス数の「企業情報」ページの改善が重要だという。
コロナ禍であらゆる業務がオンラインにシフトせざるを得なくなった。特に営業活動はこれまでの対面から、オンラインでリード獲得から商談、受注まで完結するケースが増えた。
そうしたオンライン商談で鍵となるのがコーポレートサイト。企業のコミュニケーション活動を支援しているアークコミュニケーションズにも、コーポレートサイトの改善に関する相談が増えた、と同社の佐藤佳弘氏は語る。相談内容は、例えばアクセス解析やMAツール導入などが多いというが、佐藤氏が勧めるのは「企業情報」ページの改善だ。
企業情報ページの充実化が鍵
理由は複数ある。まず、トップページを除いて、サイト内で企業情報のページが最もアクセス数が多いのだという。これは、例えば顧客、採用応募者、投資家・株主、メディア、さらには近隣住民や従業員の家族まで、幅広い層が企業情報にアクセスするからだ。「サイト運営側は、こういったユーザーは顧客なら事業情報、採用応募者なら採用情報と『欲しい情報が決まっている』と思いがちですが、実際はこうしたユーザーの方々も企業情報にアクセスされることが多いのです」。
また、既に製品の購入を前向きに考えている層も、企業情報を通じて製品への期待や信頼を高めているという。「例えば、製品だけを見ると同業他社と大差ない場合でも、企業情報を通じて“この会社は信頼できる”と思えれば、商品イメージは後押しされます」。
その他の魅力を訴求するページを新たにつくるのではなく、元々高いアクセスの企業情報ページを通じて、企業価値をアピールすべきだというのだ。
企業情報でCVにつなげる発想
一般的な企業情報は、「代表あいさつ」「沿革」「拠点」など、定型化したコンテンツにより、高い確率で訪問者の離脱を招いていた。では、CVを後押しするには。例えば、「企業理念」。これは、企業情報ページに載せている所も多いかもしれないが、「それも理念自体を単に紹介するのではなく、なぜこうした理念を打ち立てているのか。何を目指すのか、をしっかりと書いてあると、企業価値が見えてきて、十分なコンテンツになります」(図)。
出所/アークコミュニケーションズ
こうした充実したコンテンツに導線設計を掛け合わせる。「コーポレートサイト内の導線は非常に大切です。例えば、歴史や沿革から事業情報のページへつなげることもできるし、優秀な人材の紹介ページから採用情報ページに遷移させる。そうすることで、CVへとつながるのです」。
講演の終盤には、海外企業で、企業情報を記事コンテンツとして成立させている事例を複数紹介した上で、サイト改修の際には海外の企業サイトもベンチマークすることを勧める。アークコミュニケーションズは翻訳事業も行っており、企業のグローバルサイトを手掛けることも多いという。
「実際に海外の同業他社、競合企業のベンチマークをすると、発見が多いです」。一方で注意も必要だ、と同氏。「海外企業のサイトをそのままお手本にしてつくってしまうと、日本の企業サイトの標準や常識と異なるなど、そのままの活用は難しい。日本の標準・常識を基本にしつつ、海外サイトの良さをどうエッセンスとして取り入れていくかが重要です」と語った。

アークコミュニケーションズ
Web&クロスメディア事業部長
佐藤佳弘氏

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