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オフィスの今と未来を考える

交流・共有を重視の「コワーキングスペース」、可能性とジレンマ

阿部智和(北海道大学)

現在、日本全国に存在するコワーキングスペース。以下では、コワーキングスペースの独自の特徴を示し、組織人にとっても新たな発見の場となりうることを概説します。

コロナ禍で在宅勤務を求められた際、自宅で仕事をする場がなく、カフェやシェアオフィスなどを利用した方も少なくないでしょう。今回はこうしたスペースのうち、コワーキングスペース(coworking space)の特徴と可能性について説明します。

コワーキングスペースとは

わが国では2010年開設のCahootz(神戸市)を皮切りに、現在では全国各地に多数のコワーキングスペースが開設されています。

これらのスペースは仕事に必要な様々な設備・機器が揃っている共有の仕事場という側面に注目すると、シェアオフィスなどと大差がないように見えるかもしれません。しかし、コワーキングスペースは、スペース内でのコミュニティ活動や交流、共有を重視しているという違いがあります。これは、コワーキングスペースはフリーランスたちの抱える孤独や仕事上の問題解決、資源の共有などを目的に作られたという経緯があるためです。

コワーキングスペースに集う人をコワーカー(coworker)、その働き方をコワーキング(coworking)と呼びます。宇田の定義によれば、コワーキングは「働く個人がある場に集い、コミュニケーションを通じて情報や知恵を共有し、状況に応じて協同しながら価値を創出していく働き方」です*1。また、実際の利用者の属性は多岐にわたります。

*1 宇田忠司(2013).「コワーキングの概念規定と理論的展望」『經濟學研究』63(1), 115-125.

こうした多様な背景を持つ人が集まるスペースや働き方にはどのような可能性があるのでしょうか。国内外で多数の研究が進展していますが、ここではドイツの...

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