報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
主婦と生活社『LEON』DATA | |
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「ちょい不良(ワル)オヤジ」「モテるオヤジ」というスタイルを広めてきた月刊誌『LEON』(主婦と生活社)。男性向けラグジュアリー実用誌として、ファッションから時計、車、ジュエリーまで、ライフスタイル全般を提案している。ターゲットは、40~50代のミドルエイジの中でも年収1500万円以上で可処分所得が高く、消費が活発な男性だ。
創刊時から表紙モデルを務めるのは、イタリア生まれのタレントのパンツェッタ・ジローラモ。中面も外国人モデルを起用している。実用誌としてリアリティのあるスタイルの提案をしながら、ファンタジー性のあるビジュアル表現をすることで、読者が自分を投影しやすくして、憧れを喚起させている。
“友人”のように本音で語る
『LEON』には「ちょい〇〇」「モテる〇〇」といったキャッチーな言葉が頻出するが、その根底にあるのは「『ラグジュアリー×エンターテインメント』を本音ベースで語る」という編集方針だ。編集長の石井洋氏は「ラグジュアリーなものたちを、親近感を抱かせながら伝えていくのに生み出された言葉です。読者が雑誌をめくる手を止める、つまり“滞空時間”を長くするために、常に本音で語ることを意識しています」と語る。
「ニットが主役の毎日を存分に楽しんじゃってくださいまし。」「貴兄を“ジュエリー達人”へと進化させるのですよ。」(いずれも2021年12月号)といったユニークな言い回しや、読者を「友人」と表現したり「全国のご同輩」と呼びかけたりするなど、誌面には“仲間”に語り掛けるような言葉が並ぶ。
「自分が買って本当に気に入ったものを友人に勧めるとき、あの手この手で誘ったり、良かったところを本気で伝えたりしますよね。それと同様に『本当にこういうカッコ良いスタイルをしてほしい』『こういう体験をしてほしい』と、読者を説得するように伝えています」。
ラグジュアリーな世界観のものを本音で語ることで生まれるのは、読者との“共犯関係”だという石井氏。「共犯関係とは、お互いニヤニヤしながら、ちょっと悪いことを...