社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

全国30店舗で50周年記念ポップアップショップを開催。同社のロングヒットバックロゴトレーナーとベビーシューズの限定色展開や限定デザインのトートバッグなども販売された。
ミキハウスは、2021年50周年を迎えた。2019年秋に周年チームを設置。今回、年次の若いメンバーを中心に編成した。
周年を率いた、MD本部 髙橋丞二氏は、「比較的若い世代の方たちからの利用が弱いことが課題としてありました。通常の周年ですと“お客様への感謝”を伝える機会で終わってしまうところですが、それらの世代に対してアプローチするチャンスとも捉え、今回の周年は進めました。これから会社を成長させていく、原動力でもある若い世代のメンバーが今感じる課題感を、取り組みに落とし込んでいった形です。『子どもと家族の未来を笑顔でいっぱいに』というビジョンのもと、様々な企画を進めていきました」と振り返る。
当たり前を表現する時代
今回50周年を機に、SDGsの専用サイトをオープン。SDGsテーマでのInstagram投稿キャンペーンや自治体と連携し、小学校でのSDGs講演など、SDGsの発信、取り組みに力を入れている。
「製造過程で見ていくと、労働問題。2017年、委託先のミャンマーの工場での労働環境が問題になったことがありました。弊社ではそれを受け、SDGsと謳わずとも、先駆的に労働環境改善に取り組んできた経緯がありました。しかし、当たり前のことを当たり前にやっているだけでは、社会に伝わらない。今は企業として、きちんと表現し続ける必要性があると思います。普通の周年事業は打ち上げ花火的に終わってしまうものも多いのですが、SDGsのメッセージ強化は、これから社としてずっと継続していくものとしてスタートしています。お取り引きのある百貨店自体がSDGsをテーマにポップアップイベントを開催していたりと社会の関心の高まりを感じますし、そこにマッチするコンテンツが社内にはあるので、そこをしっかり発信していく重要性を感じました」。
社内でも2020年から、企画本部・教育部のメンバーを中心にSDGsプロジェクトチームを立ち上げ、社内研修を...