社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

20周年の記念CMでは従業員(整体師)の“手”にフォーカス。ブランドキャラクターの佐々木希さんが現役社員の施術をカメラでおさめていく。撮影の様子は出演の従業員のインタビューとともにメイキング動画やオウンドメディアで記事化。
整体サロン「カ・ラ・ダ ファクトリー」を主軸に国内外350店舗以上展開しているファクトリージャパングループ。2021年に20周年を迎えた。
プロジェクトはマーケティング、広報、そして約1700人いる整体師(正社員)の教育を担う教育・ES部のメンバーが選出され推進。
「教育・ES部で実施している従業員アンケートでは、毎回モチベーションの源泉に『お客様の声』が上位に挙げられています。一方マーケティング部側ではお客様にアンケートを行っており、その“声”を集められているのに、うまく循環できていないことがもったいないと感じていました。マーケティングのメンバーでES・教育部を兼任しているメンバーが周年プロジェクトに参加し、横ぐしの連携を強化させた形です」とプロジェクトリーダーを務めた海野由美子氏は説明する。
従業員の手で伝える技術力
まず記念CMの制作。これまで同様佐々木希さんを起用しているが、今回は「整体師の手」がテーマ。現役社員が出演し、20年間お客様の体に本気で向き合ってきたこと、そしてスタッフの技術が表現されている。
「社内外から『当社のイメージが形になっている』と好評でした。広告となると、表現上制限されることも多く、技術力や“おせっかい”といわれるほどのサービス精神をアピールする難しさを感じていました。しかし、今回の作品のテーマは、社員が磨き上げてきた手。メダリストや産後のママ、働く人たちを支えてきた手から伝わるストーリーは確かな事実です。単なるリラクゼーションではない私たちらしいサービスの形、真摯に向き合う姿勢がしっかり表現できています」(海野氏)。
ほかにもレジェンド整体師5人による特別施術キャンペーンも実施。20人の定員に対し、2000人以上の応募があったという。そして、これらの施策はすべてオウンドメディア「KA・RA・DA mag」にて、広報が記事化しているのも...