コロナ禍、リアルな接点の減少からコーポレートサイトの役割が再考されている。テレビ制作者は、どういう点をチェックしているのか。リニューアルの参考にしてもらいたい。
取材先、もしくは取材先候補となる企業のサイトを、記者は“必ず”チェックしている。コーポレートサイトの充実は、メディア対策という意味からも必須と言えるだろう。
記者はいつ、なぜ見るのか?
では、具体的に、どのような情報を発信すべきなのか。そのことを考えるために、メディアの人間が「いつ」、そして、「なぜ」サイトを見るのかを押さえておきたい。記者がサイトをチェックするタイミングは、大きく2つだ。①取材先の候補を探しているとき ②実際に取材に訪れる直前だ。
①取材先の候補を探している段階では、実はそれほど詳しくサイトを見ることはない。まず記者はプレスリリース、SNS、あるいは他社の記事などで、ある企業に関する興味深いトピックスの存在を知る。だが、プレスリリースなどで説明される情報は、あまりに少ない。そこで、この企業は取材対象になりうるかどうか。追加の情報を得るために、サイトを訪れるのだ。
この段階での情報収集は、会社概要や主要商品、社長の醸し出している雰囲気など、大まかに確認する程度だ。なぜ、大まかにしか確認しないのか。それは、この段階の情報収集は掲載確定前の、「事前の電話取材」の準備に過ぎないからだ。
記者は必ずと言っていいほど、プレスリリースなどで情報を得た後に、電話で、最近ではZoomなどのオンラインの手段を用いて、より詳しい情報を得るべく、事前取材をする。サイトチェックは、その事前取材のための、いわば予習に過ぎない。なので、それほど丁寧に調べる必要がないのだ。細かくサイトの情報を読み込むのは、むしろ、②取材に訪れることが確定した後だ。
熱量のある言葉を引き出す
『WBS』のような経済報道番組で、ある企業の新商品発売を特集するとしよう。社長へのインタビューは、取材の最重要パートを占める。
社長に語ってほしいのは、淡々とした新商品の説明ではない。新商品のニュースで伝えたいのは、その商品の機能そのものではないからだ。その新商品から垣間見える、中長期的な戦略、さらには、日本経済全体の「未来図」までも、伝えたい。
そのために社長インタビューでは新商品や、自社の未来に賭ける想いなど、「熱量のある言葉」を引き出したい。あるいは活字では伝わりづらい、社長の意外な人柄も、映しだしたい。
とはいえ、ありきたりの質問では、株主総会のような説明的な返答しか返ってこない。どのような...