企業コミュニケーションの核 「コーポレートサイト」刷新6つのポイント
非対面で企業情報を発信する重要性が増しています。コーポレートサイトを訪れるステークホルダーは今、どんな情報を期待しているのでしょうか。カタログを脱却しメディア化するコーポレートサイトの流れをふまえ、リニューアルの指針となる考え方を整理します。
コーポレートサイト改革
企業の顔となるコーポレートサイト。そのリニューアルの流れや見積の考え方は?制作効率改善のため制作ガイドラインの提供等を行っている、一般社団法人Interactive Communication Experts(以下I.C.E./アイス)に聞いた。
インタビュー/岡田行正 I.C.E. ビジネス委員会
出所/I.C.E.「制作プロセスマネジメント ハンドブック」より一部抜粋
サイト制作の企画から運用まで、一貫して大事なのはコーポレートサイトの「目的」「役割」。現状の経営課題からコーポレートサイトで何を解決したいのか可視化しましょう。それをまとめたものがオリエン資料になります。中長期経営計画やパーパスの策定など、会社全体の課題が浮き彫りになるタイミングで、リニューアルを進めるのも手です。サイトのデザインが古いなどがリニューアルのきっかけの場合もありますが、サイト改変自体を目的にせず、大きなゴールを見据えてみてください。
立ち上げ当初、コーポレートサイトは「会社のパンフレット代わり」だったかもしれませんが、しっかりと運用しながら「オンライン上でステークホルダーと継続的に関係を保つ場」と捉え直すこともできるはずです。目的やターゲットは絞った方が、より目的を達しやすいサイトになります。
リニューアルプロジェクトがうまく進まないケースに共通するのが、社内理解の不足です。プロジェクトリーダーに権限が移譲されている場合は問題ありませんが、決裁者が別にいる場合は、特に丁寧にサイトの目的を説明する必要があります。
「サイトなんて安くできるでしょ」という考えの人もいますが、企業のブランディングや営業に寄与するよう“一点物”のコーポレートサイトを制作するのは、簡単ではないはずです。たくさんの人が動けばコストもかかります。そこで「サイトをリニューアルすることが適切に評価される仕組み」を考えておくと、社内理解も進みやすいでしょう。例えば「求職者をターゲットに、働く場としての企業の魅力を伝える」サイトにリニューアルし、「オンライン採用で、本社が所在する地域外からの求職者を増加」させる、といったことです。
●会社情報を適切に発信し、問い合わせを増やしたい
●企業のブランディングを行い、求職者を増やしたい
●会社情報とECの情報を整理し、売上を増やしたい
●IRの情報を充実させ、事業理解を促したい
(=サイトが目指す大きなゴールとは別であることに注意)
●サイトの運用コストを下げたい
●デザインが古い