静岡県島田市では、2019年の「デジタル変革宣言」を端緒に、DX推進課が立ち上がった。同課のミッションは、DXを通じた庁内業務の効率化と市民のメディアリテラシーの向上。その一環として、「HPの機能強化」もあった。
静岡県島田市は市民生活向上のため、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)を推進している。その一環として、2021年3月末には公式ホームページを刷新。「島田市デジタル変革宣言」を軸とした大きなDX推進の流れの中で、サイトリニューアルを行っている。
DX推進課が誕生
デジタルマーケティングの「手法」は、顧客の購買喚起を目指す民間企業とは目的は異なれども、自治体行政に横展開できるはず──。この考えに基づき、2019年度から観光や移住促進など特定領域において実践していた島田市。その延長線上に2019年11月発表の「デジタル変革宣言」がある。宣言では「市民サービス」「行政経営」「地域・産業」の3分野で変革を目指すことを明記、2025年度までの「DX推進計画」をまとめている。
特定部署のみならず、全庁的にDXに取り組む必要がある、との認識から実践の旗振り役としてデジタルトランスフォーメーション推進課を立ち上げるとともに、副市長・部長級による「島田市DX推進委員会」も設置した(図)。
同課の大村才門氏によると、同市の染谷絹代市長は折に触れ、「この1年の遅れが、10年の遅れにつながる」と市職員を啓発しているといい、「デジタル変革に取り組もう、という意識の醸成は県内でも早かった方だと思いますね」と語る。
サイト介し、今後の施策に
そして、そのDX推進施策の一環に、サイトリニューアルがあった。行政手続きにおいては、いまだ申請書類を郵送する必要があるなど、アナログな点が多い。「ホームページ」はややもすると放置されがちである。
しかし、デジタルファーストを標榜する以上、「役所に来ずとも(サイトを介して)住民票の申請ができる、などを目指したい」と大村氏が話すように、サイトを介した行政サービスの向上が求められた。
そこで、情報の羅列で目的の情報に辿り着きにくかったホームページの設計を見直し、トップページはアイコンを効果的に用いて「くらし情報」「行政情報」にスムーズに辿り着けるようにした。イベント情報やくらしに役立つ情報はサムネイル画像を用いて、すっきりまとめ、視認性を高めている。
さらに...