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企業倫理から考える広報

「SDGsウォッシュ」はどこが問題か─ 欺瞞的な環境活動の歴史

杉本俊介(慶應義塾大学)

社会からの信用が問われ、ビジネスに倫理が必要な時代。何らかの葛藤に直面した時、どう筋道を立てていけばいいのか、組織を取り巻く事象から考えます。

SDGs(持続可能な開発目標)が注目される中、「SDGsウォッシュ」という言葉が目に付くようになりました。SDGsの達成に積極的な姿勢を見せるため、うわべだけ取り繕った広報活動などを指した言葉です。今後SDGsウォッシュ問題の深刻化が予想されます。SDGsウォッシュは環境問題に対してうわべだけ取り繕った広報活動を指す「グリーンウォッシュ」にちなんで最近つけられた言葉です。さらに、それは隠蔽や虚偽を「ホワイトウォッシュ」と呼ぶことに由来しています。

消費者を騙していないか

グリーンウォッシュという言葉は、1986年米国の環境保護活動家ジェイ・ウェスターベルドが最初に使ったと言われています。リゾートホテルが海や珊瑚礁の生態系を保護するためタオルの再利用を促すカードを各部屋に置いたことにウェスターベルドは疑問を感じました。一方でホテルはリゾート開発を進めていたからです。ウェスターベルドによれば、ホテル経営者の本当の目的はタオルの洗濯にかかるコストを削減することだったのです。

今日においても「100%天然」「環境に優しい」など様々な謳い文句を使い製品やサービスがアピールされています。それとともに様々なタイプのグリーンウォッシュが登場しています(表)

1. ふわふわした言葉

環境に優しいなど明確な意味がない言葉

2. 環境汚染企業による環境配慮製品

河川を汚す工場が作る効率のよい電球など

3. 環境保護を連想させる画像

例:排気管から咲く花。つながりはない

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