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『一体感』が崩れる、その前に!インターナル広報

対社外も意識したコンテンツ企画で記者の取材にも結び付けよう

松林 薫(ジャーナリスト 社会情報大学院大学 客員教授)

コロナ禍で従業員エンゲージメントの低下が叫ばれる中、社内報の見直しを検討している企業も多いのではないか。その際、制作段階から対社外も意識しておくと良い、と筆者。一挙両得を狙った社内報作成の秘訣を語る。

*本稿は本誌連載「記者の行動原理を読む広報術」の特別編です。

新型コロナのワクチン接種が急ピッチで進んだことで、街には人出が戻りつつある。ただ、感染力が強い変異種の流行や東京オリンピック・パラリンピック開催を受け、東京都に4度目の緊急事態宣言が出されるなど、ビジネスの世界では出社自粛ムードがしばらく続きそうだ。テレワークが普及したとはいえ、従業員のモチベーションやコミュニケーションをどう維持するかが課題になっている。

そんなとき役立つのが社内報だ。もともと、職種が多様で拠点も全国に分散している大企業では、社員の一体感や帰属意識を高めるため社内報を発行している例が多い。しかし現在の状況が続けば、それほど大きくない組織でも社内向けの媒体が必要になるかもしれない。

実は記者にとっても、社内報や広報誌は重要な情報源だ。ただ、利用方法はプレスリリースとは異なる。リリースが雑報(ストレートニュース、速報)を書く際の資料になるのに対し、社内報は特集記事やインタビューなど、企画系の記事を書く際のヒントになるのだ。筆者も日経記者時代、ニュースが少なくて紙面が埋まらない時期や、特集の取材班に組み入れられたときは、担当企業から送られてきた冊子を集めてネタを探していた。今回はそうした経験も踏まえて、記者の取材にも結びつく「一石二鳥」の社内報の作成方法を考えてみよう。

社内報の情報を記者に提案

そもそも企業担当の記者が取材対象として興味を持つ分野は、大きく分けると❶商品、❷施設、❸組織、❹人物の4つ。社内報で言えば、それぞれ(表)のような記事に注目する。ただし、記者の目に留まるにはテーマや切り口に面白さや斬新さといった付加価値が必要になる。

表 記者が興味を持つ社内報の記事

筆者作成

例えばヒット商品の意外な開発秘話について担当者が語るインタビュー記事が載っていれば、記者は自分も話を聞きたいと思うだろう。製品やサービス自体に知名度がなくても、開発のきっかけに話題性があれば、企画記事のエピソードとして使える可能性がある。例えば、「育児と仕事の両立に悩んだ社員の提案で開発が始まった」という話なら、女性活躍や少子化問題などに関する特集記事に盛り込めるだろう。

同様に、単なる社内イベントでもユニークかつ旬のテーマに関わる事例なら記者の興味を引く。「コロナ禍で中止になった社員旅行を...

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