インターナルコミュニケーション新時代 正解がない中で何を目指し、どう実現するか?
リモートワークの常態化で、インターナルコミュニケーションは広報の急務になっています。従業員が会社に期待する報酬も多様になる中で、行動変容につながる社内コミュニケーションの在り方とは。広報が取り組むべき打ち手を考えます。
『一体感』が崩れる、その前に!インターナル広報
ニューノーマルな働き方に積極的に取り組んでいるカルビー。モバイルワークが標準化してから、どのようなコミュニケーション施策を行い一体感を高めているのか。新しい働き方の体制や社内報の工夫を聞いた。
DATA | |
---|---|
創立年 | 1949年 |
広報体制 | 広報部(計13人、うち社内広報が兼務で2人) |
「Calbee New Workstyle」。コロナ禍でカルビーが打ち出した新しい働き方について、メディア各社が一斉に報じたのは2020年6月のこと。在宅勤務制度を2014年から導入しモバイルワーク環境を整備してきた同社の、一歩踏み込んだ具体策が関心を集めた(下画像を参照)。
「ニュースになり、外部の方から『いい会社だね』と言われる。こうした周囲の反応は従業員エンゲージメントを上げていくひとつだと思います。社内外、両輪の施策が大事ですね」。広報部の間瀬理恵氏はこう振り返る。モバイルワークを標準とし、工場勤務者には新しいコミュニケーションスタイルの浸透のためiPhoneを支給。社内SNSやウェブ社内報も見てもらいやすい環境になった。
カルビーの社内報は、冊子とイントラネットで見られるウェブ社内報の2種類がある。冊子の社内報はグループ従業員などに配布(2021年度から年4回)。「頼りになる同僚」をイメージし、「サステナビリティ」「グループ会社紹介」など、今伝えていくべき内容を深掘りして特集を組む。一方、ウェブ社内報は速報性を重視。読み手が投稿にコメントを付ける機能もあり、冊子の社内報の内容も読める。
コロナ感染拡大初期で社内に不安が蔓延した2020年4月。ウェブ社内報で、伊藤秀二社長は「一層頻度の高いコミュニケーションが必要」とメッセージを発信。その後「緊急!コロナブログリレー」が始まった。人事総務本部長の武田雅子氏が役員に声掛けし、コロナ禍の状況下で伝えたいメッセージを...