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大学広報ゼミナール

セミナー参加者と考える 大学広報の今とこれから

谷ノ内 識(追手門学院大学)

2021年4月26日、筆者を含めた大学広報経験者5人による広報初任者向けオンラインセミナーを開催しました。大学や高校など学校の広報活動に関わる人や関心のある人たちでつくる自主的な勉強会グループ「学校広報ソーシャルメディア活用勉強会(通称:GKB48)」が、創立からちょうど10年の節目を迎えたことを記念して4回シリーズで開催するものです。4月はその2回目で「大学広報の基本」がテーマでした。

4月26日、学校広報ソーシャルメディア活用勉強会(GKB48)創立10周年を記念したオンラインセミナーを実施。

大学広報初任者向けに講義

GKB48を設立したのは当時、大学を含めた学校法人の広報担当で、現在は学校などの広報支援を手掛けるシンクアップ(神奈川・座間市)を経営する栗原直以さんと山下研一さんの2人です。GKB48が設立された当初、筆者は広報とは別の部署におり、大学院で個人的に研究をしている時でした。ちょうど大阪で勉強会が開催されるという案内をいただいて参加して以来、関西でイベントがある際はたまに顔を出していました。

GKB48はこの10年でFacebookを介してメンバーを増やし、5月9日現在で2184人の一大グループへと成長しています。その後起業し活躍の場を広げている2人は、大学職員としても広報としても新しいキャリアの形を示す存在として筆者も注目しています。

さてセミナーですが、オンライン開催という参加のしやすさと2000人を超えるネットワーク力のおかげもあり、事前申し込みは200人に達しました。

筆者ら5人の発表者の持ち時間はそれぞれ20分。大学広報に関する概論から各論・実践事例へと流れる形で内容を分担しました。

筆者は「もし、未経験で大学広報担当になったら何からはじめるか」というタイトルで、本誌2021年5月号に掲載した連載第26回「新任大学広報担当者 最初のステップとは?」をベースに、大学広報の定義にはじまり、自大学における経営戦略と連動した目標と成果指標の設定の重要性、そして担当者レベルですぐにできるメディア露出を増やすポイントなどについて説明しました。

目指す「大学のメディア化」

また、新たな話題と今後の展望として、本連載でも度々取り上げてきたSNSやオウンドメディアの取り組みなどから導いた「大学のメディア化」のフレームワークを提示しました。

詳細はまた改めてまとめたいと思いますが、教育・研究機関である大学は研究者と最先端の知見を抱えており、それらをSNSとオウンドメディアを活用してマスメディアやネットメディアと...

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