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SDGs実践! 経営変化と企業コミュニケーション

サイトでの情報開示は企業の存在感へ ステークホルダー・ファースト視点が鍵に

安藤光展(CSRコミュニケーション協会)

DXが進む中で、サステナブル発信の在り方も大きく変化しています。ステークホルダーとの情報接点がデジタルに集中する中、企業のサステナビリティサイトの充実は欠かせないものになっているのは間違いありません。制作、運用におけるポイントについて紹介します。

現在、世界中のあらゆるビジネスシーンでDX(デジタル変革)が進んでいる。ミレニアル世代以降のデジタルネイティブの増加や、新型コロナの影響もあり、非接触/非対面の商慣行が必要不可欠となり、強制的にデジタル化が進んだ側面も大きい。この潮流はサステナビリティ分野でも起きている。

2010年代のサステナビリティ情報開示のメイン・ツールは「統合報告書」や「サステナビリティレポート(CSR報告書)」などの冊子だったが、2020年代のDX時代の情報開示は間違いなく「サステナビリティサイト」(以下、サイト)だ。

この点に気づいている企業は、すでに相応の投資を行い、サイトを最適化し始めている。

サステナビリティサイトの役割

コロナ禍の中で大変な事業環境ではあるが、ステークホルダーやESG評価機関が企業の情報発信を待ってくれるわけではない。

DX時代の企業は、今まで以上にステークホルダーに試されており、その振る舞いとなるサイトの情報開示の一挙手一投足が常に注目されている。企業がステークホルダーとコミュニケーションをする時、ステークホルダーもまた企業とコミュニケーションしているのである。

ステークホルダーとなる人々の多くが、企業情報を得るのがほとんどサイトになっているため、今後はサイトに掲載されていない情報は“存在ない”と認識されてしまう可能性が高い。それほど、サイトの重要性が増している。

現代において、サイトはすべてのステークホルダーが最初に見るコンテンツである。紙の冊子は特定層への媒体にすぎない。つまり、どんなに統合報告書やサステナビリティレポートがすぐれていても、サイトの印象や内容でイメージや評価が決まってしまうのである。

サイトを充実させることで、投資家・ESG評価機関の評価向上による株価へのポジティブな影響はもちろんのこと、社会性の高さをアピールして求職者や意識ある消費者へのアピール、様々なステークホルダーとの良好な関係構築、好意的なメディア報道、イメージ向上によるブランディング効果、など多くのビジネス成果の期待ができる。逆にいえば、今後、サイトを充実させない企業は、これらの成果の逆の結果が起きるということだ。

企業のサイト活用の実態

では企業サイトにおけるサステナビリティ情報開示は実際にどの程度進んでいるのであろうか。

まずはウェブサイト全体の傾向だが、経済広報センターの調査*1によれば、生活者が企業評価をする情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」(73%)、「テレビ」(68%)が高く、続いて「情報提供会社のウェブサイト」(49%)、「企業が運営するウェブサイト」(35%)となっている。

*1 経済広報センター「第24回 生活者の“企業観”に関するアンケート」

新聞・テレビ・雑誌/書籍は減少傾向であるが、企業のウェブサイトは年々増加している。企業のウェブサイトは、情報源としての割合は3割弱だが、どのメディアも減少か横ばいの中で増加傾向にある。

ちなみに30代と40代では「企業が運営するウェブサイト」は40%を超えている。

東洋経済新報社の調査によれば、企業のサステナビリティ分野におけるレポーティング方法は、「ウェブのみ」(33.5%)、「紙とウェブ」(49.7%)で3割弱の企業は印刷すらしておらず、8割以上の企業がサイトでの情報開示を行っているのが分かる。情報開示は、サイトでの開示をしない方が珍しい時代となっている(図表1)

図表1 サイトでの情報発信の動き

出所/東洋経済新報社「CSR企業白書2021」をもとに筆者作成

これらの調査からは、生活者も企業も、ウェブサイトを重要視する傾向が強まっているということが分かる。メディアのパワーバランスが変わり、他の...

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