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メディア研究室訪問

宮崎の資源を活かし マーケティング人材を育てる

宮崎大学 地域資源創成学部 土屋 有 ゼミ

メディア研究などを行っている大学のゼミを訪問するこのコーナー。今回は宮崎大学の土屋 有ゼミです。

土屋 有ゼミ室のメンバー。

DATA
設立 2015年
学生数 2年生8人、3年生8人、4年生8人
OB/OGの主な就職先 国分九州、ソラシドエア、ハンズマン、パシック、日高本店、宮崎太陽銀行、リクルート、ローカル、CCCマーケティング、MANGO、GMO NIKKO

宮崎大学 地域資源創成学部は2015年に新設。地方大学ならではの環境、資源を活かし、地方創生分野で活躍できる人材育成を目指す。文理融合で実務家教員を擁し、複合的な学びを得られるのが特徴だ。

今回取材した土屋 有准教授も、元々ITベンチャー企業など複数の企業の取締役を歴任。そこで培ってきたマーケティングの知見を次世代育成に活かしている。

「東京に出なければチャレンジの幅が狭まってしまうと考える学生は少なくないと思います。しかし、宮崎の土地、コミュニティ、特産物など“らしさ”を活かすことで、学生たちが大きく成長する場をつくれるポテンシャルは秘めているんです。この学部しかり、本学にはチャレンジを応援する風土があります。いい意味で従来の“宮崎大学”のイメージとは違う学びを得ることができる学部だと思います」。

毎週金曜日は1日ゼミ活動の時間としてカリキュラムが組まれている。

PDCAを回す中で着実に成長

ゼミは2年次後期からスタート。マーケティングの基本を学びつつ、以降半年ごとにプロジェクトを設定。PDCAを回していく。

「地元の企業や自治体、観光団体などから寄せられる“課題”の解決に向けプランを設計していきます。僕のゼミでは、地域(フィールド)に積極的に出ていくことを前提としています。プロダクト思考ではなく、ユーザー目線で考える。特に学生たちのような若年層の目線は、地域の課題解決に効果的に働くことも多いです」。

例えば、延岡観光協会からの「観光プロモーション施策を考えてほしい」という依頼。工業エリアであり、特に目立った観光地もない中で、とある学生がTikTokで某アニメをテーマにした溶接技術の投稿をしており、多くの再生数とファンを獲得している工場を発見。工場見学だけではなく、溶接技術でどんな表現ができるのか?どんな刺激・体験ができるのかに目を向け観光プランを提案した。

また宮崎市の教会の跡地再利用のプランを任されたときには、白壁やきれいな装飾品を利用した「セルフ写真館」を提案。近接するレストランとともに、デートスポット、映えスポットとして好評を得ているという。

「世の中にはそうそう決まった答えなんてありません。正解は常に変化し続けています。ゼミ生には、現状で満足するのではなく、変化に対応し、さらなる上を目指し続ける姿勢を身につけてもらいたいと考えています。ゼミで複数のプロジェクトでPDCAを回す経験を経て、最後4年次の卒論では、課題の設定から学生たちができるよう、段階を踏んでステップアップしてもらいたいです」。

依頼者へのプレゼンの様子。

noteで自主的にゼミをPR

ゼミでは、学生たち主導で、活動やゼミの特徴をまとめたnoteを投稿している。コロナ禍で公開ゼミが実施できずゼミの紹介が十分にできなくなったことをきっかけに投稿が始まった。ゼミ生インタビューと題し、志望理由やどういうメンバーがいるか、雰囲気、土屋准教授についてなど、写真付きでそれぞれの言葉で説明している。

「ソーシャルメディアポリシーなどについては説明した上で広報活動は学生たちに一任しています。これからゼミを決める人にとっては、どんな雰囲気なのか、どんな人がいるのかがすごく大切です。僕も投稿を読んでみましたが、その人らしさがすごく伝わってくる文章になっていると思います。こうした活動をはじめ、僕のゼミには自ら考え、動くことに前のめりな学生が多いです。中には在学中に起業した人もいます」。

宮崎からチャレンジ姿勢溢れる、地域創生人材の輩出に取り組みたい考えだ。

ゼミ活動はフィールドワークが基本。

故郷のこれからに貢献する次世代成長の場に

土屋 有准教授は、2015年に都内のITベンチャー企業からUターン。故郷の宮崎で教鞭を執る。

Uターンきっかけとなったのが2010年、宮崎で流行した口蹄疫。故郷に貢献したい、日に日に多様性を帯び、複雑になっていく地域課題を、自治体、企業、そして大学が連携することで乗り越えていけるはず、と考えたという。「宮崎でも成長できる、宮崎大学だからこそ成長できる、という可能性を、新設されたこの学部でならつくっていけると考えました」。

マーケティングの基礎から、地域課題解決のためのビジネス開発など、実務経験を活かした講義で、学生たちのチャレンジを後押ししていきたいと語った。

土屋 有(つちや・ゆう)准教授
1980年宮崎県生まれ。2012年多摩大学大学院経営情報学研究科修士課程修了。アイレップ取締役、面白法人カヤック事業部長などITベンチャー執行役員などを経て、2015年Uターンし現職。ミライラボ 社外取締役、コミュニティナースカンパニー取締役を兼務。専門はマーケティング、デジタルマーケティング、ソーシャルビジネス。

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